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信越化学、三益半導体工業を完全子会社に 総額680億円ウエハー生産などの技術共有を目指す

信越化学工業は2024年4月25日、Si(シリコン)ウエハーの加工などを手掛ける三益半導体工業を、TOB(株式公開買い付け)を通じて完全子会社化すると発表した。取得額は約680億円。技術や知見の共有、人的交流の強化を目指す。

» 2024年04月26日 13時30分 公開
[浅井涼EE Times Japan]

 信越化学工業は2024年4月25日、Si(シリコン)ウエハーの加工などを手掛ける三益半導体工業を、TOB(株式公開買い付け)を通じて完全子会社化すると発表した。取得額は約680億円。技術や知見の共有、人的交流の強化を目指す。

協力体制の強化で企業価値向上を目指す

 信越化学工業は現在、三益半導体工業の株式を43.87%所有する筆頭株主で、同社を持分法適用関連会社としている。今回、TOBを通じて全株式を取得し、完全子会社化する。TOBの開始は2024年7月下旬を目指すという。

 信越化学工業は三益半導体工業の子会社化の理由を、「信越化学工業グループの電子材料事業の成長のためには、Siウエハーをはじめとする半導体事業の多面的な拡大が不可欠で、三益半導体工業の事業が大きな力になると考えている」と説明。半導体業界が景気循環の影響を受けやすく、足元では在庫調整や材料価格高騰などの変化に直面していることから、三益半導体工業にとっても「より高度な技術開発や供給の安定化などの変革が必要な時期である」という認識を示した。こうした背景を踏まえ、完全子会社化によって両社の協力体制を強化することでシナジーを生み出し、企業価値の向上を目指すという。

 具体的には、生産技術や設備の共有によるウエハー生産能力のより円滑な配置や、人的交流の拡大、知見やノウハウの共有によるウエハーの品ぞろえ拡充、三益半導体工業のコスト軽減、信越化学工業グループのウエハー再生技術の応用、三益半導体工業のスピンプロセッサの販路拡大、災害時のリスク分散強化などを期待するとした。

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