“人工知能技術”の1つに、生物の進化のプロセスを用いて最適解へと導く「遺伝的アルゴリズム(Genetic Algorithm:GA)」があります。25年ほど前に私が狂ったようにのめり込んだ技術なのですが、世界的にもファンがたくさんいるようです。そして、このGAこそが、私たちがイメージする“人工知能”に最も近いものではないかと思うのです。
今、ちまたをにぎわせているAI(人工知能)。しかしAIは、特に新しい話題ではなく、何十年も前から隆盛と衰退を繰り返してきたテーマなのです。にもかかわらず、その実態は曖昧なまま……。本連載では、AIの栄枯盛衰を見てきた著者が、AIについてたっぷりと検証していきます。果たして”AIの彼方(かなた)”には、中堅主任研究員が夢見るような”知能”があるのでしょうか――。⇒連載バックナンバー
本連載の第5回「沈黙する人工知能 〜なぜAIは米大統領選の予測に使われなかったのかを読んでくださった、シリコンバレーでITアナリストをされている米国在住の方から、講演のご依頼をいただき、お引き受けするとになりました。
私もこれまで何回か講演のご依頼をいただきましたが、今回、ご提示いただいた講演題目はすごいです。
思わず、終末論を語るカルト教団の教祖の集会か、と思ってしまいそうな題目*)です。
*)CSAJの方は、『江端のツボを付いた、粋な計らいをするなあ』と感心しました。
もちろん、この講演では、そのような話(終末論)を展開する予定はありません。この連載コラムの内容と、このコラムの最終回の「落とし所」のネタバレになるような内容になる予定です。ご興味のある方は、ご聴講いただければ幸いです。
それにしても、『Over the AI ―― AIの向こう側に』にしても、『AIブームの終焉 -End of the Boom-』にしてもそうなのですが、どうも、私は、一定の人から「江端は、人工知能(AI)を完全に否定しようとしている」と思われているようです*)。まあ、そりゃ仕方ないよなー、とも思います。
*)昔から、私の連載コラムを読んでいる方には、そのようには思われていないようですが。
私のこの連載に込めている思いを理解していただくためには、この連載の全てのコラムを精読していただき、そこから、私の内なる声に耳を傾けていただく必要があります。しかし、そんな面倒くさいことをする人がいるとも思えませんので、今回、講演用にコンセプトイラストを作成しました。
私のこの連載コラム(と講演)のコンセプトは、ツンデレです。
もし、あなたが、誰かから、江端のこの連載の概要を求められた時(「そんな時が来るのか」というツッコミはさておき)、このイラストを、その方にご提示ください。
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