米Rayspan社は、携帯電話網の高速データ・アクセスに向けた無線通信規格であるLTE(Long Term Evolution)用の小型アンテナ「MTM-E」を開発した(図1)。設計情報の提供をすでに開始している。
同社が強みとするメタマテリアル(Metamaterial)技術を使ったアンテナで、「入手可能なLTE用アンテナのうち、最も小さい」(同社)という。寸法は、メイン・アンテナが50mm×10mm×6mmである。
メタマテリアル技術とは、電磁波の波長に比べて小さい寸法の金属材料で周期構造を作り込むもの。アンテナの寸法を小型化できたり、アンテナ間の干渉を減らせたりといった特長がある。
アンテナ寸法が小さいほか、同社のメタマテリアル・アンテナはプリント基板(PCB)の配線としてアンテナ・パターンを作り込むことも特長だ。一般的なLTE用アンテナは立体的な構造を採るのに対して、平面内にアンテナを形成する。さらに、同社のメタマテリアル・アンテナはアンテナ素子を切り替えるスイッチや整合回路は不要であるという。
698MHz〜960MHzと1710MHz〜2170MHz、2.6GHz帯を含む合計6バンド以上に対応した(図2、図3)。携帯電話機やノート・パソコン、USBドングル、無線ルーターといった携帯型のLTE対応機器に向ける。「当社のメタマテリアル・アンテナは、開発期間の短縮や消費電力の削減、機器の小型化に貢献する」(同社)。
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