不揮発性メモリーのIP(Intellectual Property)の開発と販売を手がける米Kilopass Technology社は、韓国Samsung Electronics(サムスン電子)社がKilopass Technology社のアンチヒューズ・メモリー「XPM」をSoC(System on Chip)に組み込んで販売することに同意したと発表した。
アンチヒューズ・メモリーは、ヒューズとは反対に電圧をかけると電気を通すようになるアンチヒューズ素子を利用したメモリー。1回だけ書き込み可能で、書き換えはできない。組み込みプログラムの記録などに向く。比較的コンパクトで、小容量から中容量のデータを書き込むオンチップ・メモリーに適している。そして、XPMは、標準的なCMOS論理回路と同じ方法で製造できるため、ファウンドリが製造手順を変更する必要がない。Samsung Electronics社は、ファウンドリ事業のサービスの一環としてXPMを提供する。
Samsung Electronics社でファウンドリ・ビジネス担当バイス・プレジデントを務めるJay Min氏は、「われわれの戦略は、パートナー企業との包括的なエコシステムを構築して、多機能、高性能なSoCを求める声に応えることだ。こうした戦略の一環として、Kilopass Technology社との契約を結んだ。これまで、世界を代表するファブレス企業と契約を結んできた。高誘電率/金属ゲート技術を取り入れた32nm/28nm製造技術の導入を見込んで契約したファブレス企業もある。一方で、これからは大企業ばかりでなく、さらに多くのファブレス企業を顧客としていこうと考えている」と述べた。
Kilopass Technology社は、2001年創業の企業。これまで、メモリーIPを台湾TSMC(Taiwan Semiconductor Manufacturing Company)社や韓国Dongbu HiTek社、中国Semiconductor Manufacturing International(SMIC)社などのファウンドリ企業を通して提供してきた。
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