Pike Researchによると、スマートメーターの設置台数は急速に増加し、2020年には10億台近くになるという。こうした急成長の背景には、スマートグリッドの実現に向けた取り組みの一環として、電力事業者がスマートメーターの設置を促進していることが挙げられる。
米国の市場調査およびコンサルタント会社であるPike Researchの最新リポートによると、「スマートメーターの設置台数は世界中で急速に増加し、2020年には10億台近くになる」という。
Pike Researchは、「2020年には、世界中で9億6300万台のスマートメーターが設置されるようになる」と見込んでいる。また、同社は2009年に、「2015年にスマートメーターの設置台数は2億5100万台に達する」と予想していたが、現在では、これを5億3500万台に上方修正している。
Pike Researchでディレクタを務めるBob Gohn氏は、報道発表資料の中で、「スマートメーターは、世界中の電力事業者に価値をもたらすものである。電力業界は過去2年間で大きく前進してきた。スマートメーターの普及を促すことは、より多様性のあるエネルギー管理向けのソリューションを実現するための重要な要素となるだろう」と述べた。
Pike Researchはリポートの中で、「スマートメーターの設置台数が増加している背景には、スマートグリッドの実現に向けた取り組みの一環として、電力事業者がスマートメーターの設置を促進していることが挙げられる。双方向の通信ネットワークなどを活用した最先端の計測インフラを導入することで、電力使用量の可視化技術や電力管理の技術が向上する。多くの電力事業者は、こうした計測インフラが、エネルギー効率の向上と新しい電力管理サービスを実現するための礎になると想定している」と述べている。
ただしPike Researchは、スマートメーターの年間出荷数量について、「2015年に1億台に達してピークを迎え、その後は徐々に出荷数が減少していく」と予想している。スマートメーター市場の今後の成長は、地域によって異なるという。
まずは北米市場が2012年に出荷数量のピークを迎える。続いて、2015年にはアジア太平洋地域で、2017年には欧州で出荷数がピークになる。また、南米、中東、アフリカでは、より緩やかで長期的な成長がみられるという。Pike Researchは、2018年までに導入される電力メーターのほとんどがスマートメーターになると見込んでいる他、スマートメーターの普及率が2020年に59%に達すると予想している。
【翻訳:青山麻由子、編集:EE Times Japan】
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