Hewlett-Packard(HP)初のタブレットPC「TouchPad」を分解したところ、QualcommがアプリケーションプロセッサとパワーマネジメントIC、Wi-Fiチップを供給していることが明らかになった。プロセッサは、Qualcommがタブレットを想定して開発したもので、自社のGPUコアを混載しており、同社のプロセッサ製品群「Snapdragon」の第3世代品に相当する。
技術情報サービスを手掛けるUBM TechInsightsが、Hewlett-Packard(HP)初のタブレットPC「TouchPad」を分解したところ、Cypress SemiconductorとLG Electronics、Qualcomm、SanDisk、Samsung Electronicsが大きなデザインウインを獲得したことが明らかになった(参考リンク:TechInsightsのオンラインリポート)。TouchPadには、HPがPalmの買収で獲得した「WebOS」が搭載されている。
QualcommはTouchPadに4個の部品を供給している。具体的には、1.2GHzで動作するデュアルコアのアプリケーションプロセッサ「APQ8060」と、2個のパワーマネジメントIC、最近買収したAtheros Communications(現在の社名はQualcomm Atheros)のWi-FiコントローラIC「AR6003」である(図1)。
このうちアプリケーションプロセッサのAPQ8060は、Qualcommがタブレットを想定して開発したもので、自社のGPUコア「Adreno 220」を混載しており、同社のプロセッサ製品群「Snapdragon」の第3世代品に相当する。UBM TechInsightsが分解解析でこのプロセッサを搭載した機器を確認したのは今回が初めてだという。
一方、米国の市場調査会社であるIHS iSuppliもTouchPadを分解し、部材コストを分析した。599米ドルで販売されている32Gバイト機の部材コストが318米ドルで、販売価格が499米ドルの16Gバイト機については部材コストが296米ドルだと見積もっている。
下の図2からも分かるように、TouchPadに搭載されているパワーマネジメントICはほとんどがQualcommとTexas Instrumentsのものだ。TouchPadにはこの他、Maxim Integrated ProductsのパワーマネジメントICも1つ搭載されている。IHS iSuppliは、これらパワーマネージメントシステム全体での部品コストを12.50米ドルと見積もった。
HPがTouchPadのディスプレイに採用したのは、LG Displayの「LT097XL01」だった。これは、Appleが初期の「iPad」に採用したものと同じである。9.7インチ型で、画素数は1024×768画素。価格は69米ドルで、TouchPadに搭載された部品の中で最も高価だとIHS iSuppliは分析する。その次に値段が高いサブシステムは、ガラス/ガラス構造を採る静電容量方式のタッチスクリーンで、63.5米ドルと見積もった。これを供給するのは、台湾のWintekもしくはTPK Holdingだ。
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