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HPのタブレット「TouchPad」はQualcommのチップを多数採用、コストは32Gバイト機で318ドル製品解剖(2/2 ページ)

» 2011年08月13日 19時58分 公開
[EE Times]
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 IHS iSuppliはTouchPadの弱みとして、8.8mmと薄い「iPad 2」に比べて13.7mmとかなり厚い点や、3G携帯電話の通信機能に対応していない点を指摘した。その一方で、WebOSを採用している点や、電磁誘導方式のワイヤレス充電器を内蔵した点などを挙げ、競合にAndroid OSベースの製品が増えている中で大きな差別化になると評価した。

 UBM TechInsightsで、これまでにMotorolaの「XOOM」やSamsung Electronicsの「GALAXY Tab」、RIM(Research in Motion)の「BlackBerry PlayBook」と各社のタブレットの分解解析を手掛けたアナリストは、「タブレット市場は既に飽和状態にある」との見方を示している。参入企業は増えているものの、今もなおAppleがiPadで圧倒的なシェアを占めているという。

 IHS iSuppliで分解サービスのシニアディレクターを務めるAndrew Rassweiler氏は、同社の報道発表資料の中で、TouchPadの機械設計について、「iPad 2の筐体がアルミニウム製であるのに対し、TouchPadの筐体はプラスチック製だ。そのため剛性面で劣る上に、内蔵部品を実装するためにフレームを別に用意する必要がある」と述べている。

 さらに同氏は、「これにより、TouchPadは厚みや周縁部のサイズが大きくなってしまった」と付け加えた。その半面、「このように厚みのある設計になっているため、iPadで見受けられたような非標準的なパッケージや部品、プリント基板を採用する必要はなかったはずだ。従ってHPは、設計プロセスを簡略化できた他、設計上の選択肢も増やすことができただろう」と続けている。

 また、IHS iSuppliの分解により、TouchPadにSanDiskのフラッシュメモリ「iNAND」(価格は約45米ドル相当)が搭載されていることが判明した。その他、Samsung Electronicsのモバイル向けDDR2 SDRAMが内蔵されていることも分かった。その記録容量は一般的なタブレットの2倍に相当する1Gバイトである。価格は約26米ドルと推定される。

 IHS iSuppliのRassweiler氏は、「記録容量当たりのメモリコストは低下し続けているため、タブレットのDRAM容量は今後、1Gバイトが標準になるだろう」と述べている。

 上記の他に主要チップのデザインウインを獲得した企業の1つがCypress Semiconductorだ。TouchPadには、同社のタッチスクリーンコントローラが6個搭載されており、それらの合計価格は11.75米ドルとみられる(図3)。

図3 図3 TouchPadのタッチスクリーンボード マスターコントローラ(紫色のマーキング)が1つ、スレーブコントローラ(赤色のマーキング)が5つ実装されている。いずれもCypress Semiconductorの製品だ。出典: UBM TechInsights

 UBM TechInsightsが発表した、TouchPadに搭載された主な構成部品のリストは以下の通りである。

  • Qualcommのデュアルコアプロセッサ「APQ8060」
  • QualcommのパワーマネジメントIC「PM8058」
  • Qualcomm AtherosのIEEE 802.11b/g/n対応Wi-Fiコントローラ「AR6003」
  • QualcommのパワーマネジメントIC「PM8901」

  • SanDisk/東芝のNANDフラッシュメモリ「SDIN4C2-16GB」(16Gバイトのマルチチップ品)
  • Samsung Electronicsのモバイル向けDDR2 SDRAM「K4P8G304EC」(1Gバイト)

  • Texas InstrumentsのFlatLink対応トランスミッタ「SN75LVDS83B」
  • Texas InstrumentsのパワーマネジメントIC「TPS8903AE」
  • Texas Instrumentsのパワーマネジメントユニット「TPS99003B5A」
  • Texas InstrumentsのMOSFET「CSD25401」
  • Texas InstrumentsのMOSFET「CSD75211W1723」

  • Texas Instruments のDC-DC昇圧レギュレータ「TPS61032」
  • Texas Instruments のDC-DCコンバータ「TPS61187」
  • Texas Instrumentsのパワーマネジメントユニット「TPS99003B5A」

  • Invensense の3軸デジタルジャイロスコープ「MPU-3050」

  • Wolfson Microelectronicsのマルチチャネル・オーディオコーデック「WM8958E」
  • CSRのBluetooth 2.1+EDR対応トランシーバ「BC63B239A04」
  • STMicroelectronicsの3軸加速度/3軸磁力センサー「LSM303DLH」

  • National Semiconductorの照明管理ユニット「LM8502」

  • Cypress Semiconductorのタッチスクリーン・スレーブコントローラ「CY8CTMA375」
  • Cypress Semiconductorのタッチスクリーン・マスターコントローラ「CY8CTMA395」
<訂正>記事の掲載当初、最後に掲載した部品リスト中、Samsung Electronicsのモバイル向けDDR2 SDRAMの容量を8Gバイトとしていましたが、これは誤りで、正しくは1Gバイト(8Gビット)でした。お詫びして訂正いたします。また、この訂正に併せて、当初文中で「8Gビット」と記述していたところを、「1Gバイト」に表現を改めました。上記記事はすでに訂正済みです。


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