IHS iSuppliはTouchPadの弱みとして、8.8mmと薄い「iPad 2」に比べて13.7mmとかなり厚い点や、3G携帯電話の通信機能に対応していない点を指摘した。その一方で、WebOSを採用している点や、電磁誘導方式のワイヤレス充電器を内蔵した点などを挙げ、競合にAndroid OSベースの製品が増えている中で大きな差別化になると評価した。
UBM TechInsightsで、これまでにMotorolaの「XOOM」やSamsung Electronicsの「GALAXY Tab」、RIM(Research in Motion)の「BlackBerry PlayBook」と各社のタブレットの分解解析を手掛けたアナリストは、「タブレット市場は既に飽和状態にある」との見方を示している。参入企業は増えているものの、今もなおAppleがiPadで圧倒的なシェアを占めているという。
IHS iSuppliで分解サービスのシニアディレクターを務めるAndrew Rassweiler氏は、同社の報道発表資料の中で、TouchPadの機械設計について、「iPad 2の筐体がアルミニウム製であるのに対し、TouchPadの筐体はプラスチック製だ。そのため剛性面で劣る上に、内蔵部品を実装するためにフレームを別に用意する必要がある」と述べている。
さらに同氏は、「これにより、TouchPadは厚みや周縁部のサイズが大きくなってしまった」と付け加えた。その半面、「このように厚みのある設計になっているため、iPadで見受けられたような非標準的なパッケージや部品、プリント基板を採用する必要はなかったはずだ。従ってHPは、設計プロセスを簡略化できた他、設計上の選択肢も増やすことができただろう」と続けている。
また、IHS iSuppliの分解により、TouchPadにSanDiskのフラッシュメモリ「iNAND」(価格は約45米ドル相当)が搭載されていることが判明した。その他、Samsung Electronicsのモバイル向けDDR2 SDRAMが内蔵されていることも分かった。その記録容量は一般的なタブレットの2倍に相当する1Gバイトである。価格は約26米ドルと推定される。
IHS iSuppliのRassweiler氏は、「記録容量当たりのメモリコストは低下し続けているため、タブレットのDRAM容量は今後、1Gバイトが標準になるだろう」と述べている。
上記の他に主要チップのデザインウインを獲得した企業の1つがCypress Semiconductorだ。TouchPadには、同社のタッチスクリーンコントローラが6個搭載されており、それらの合計価格は11.75米ドルとみられる(図3)。
UBM TechInsightsが発表した、TouchPadに搭載された主な構成部品のリストは以下の通りである。
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