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モバイルとの接続性こそ「スマートテレビ」の条件、HD映像の無線伝送が鍵に無線通信技術 WHDI(1/2 ページ)

各社が、スマートテレビと銘打ったデジタルテレビを製品化しているが、現在の姿が最終形なのだろうか……。「今のスマートテレビは、まだとてもスマートとは言えない」と主張する人物がいる。

» 2011年08月18日 17時55分 公開
[前川慎光,EE Times Japan]

 インターネットで提供されているサービスに対応した「スマートテレビ」に注目が集まっている。消費者が購入後に、利用できるサービスを手元で変えられることが特徴だ。デジタルテレビの開発やマーケティングにかかわる業界関係者なら誰しもが、スマートテレビの今後の展開に興味を持っているだろう。

 各社が、スマートテレビと銘打ったデジタルテレビを製品化しているが、現在の姿が最終形なのだろうか……。「今のスマートテレビは、まだとてもスマートとは言えない」と主張する人物がいる。ファブレスの半導体ベンチャー企業であるAMIMONのChairman兼CEOを務めるYoav Nissan-Cohen氏である(図1)。

 同氏の主張は、「モバイル機器との接続性が次世代のテレビ開発の鍵を握る」と明快だ。ここで言うモバイル機器とは、ノートPCやタブレットPC、スマートフォン、ゲーム機など、多機能かつ小型のデバイスのこと。スマートフォンやタブレットPCが一般消費者に浸透するにつれ、日々の生活におけるモバイル機器の重要性は昔とは比べものにならないほど高まった。「テレビ開発も、誰もが使っているモバイル機器を軸に考える必要がある」(同氏)と語る。

図 図1 AMIMONのChairman兼CEOを務めるYoav Nissan-Cohen氏 スマートフォンの画像や映像をテレビにスムーズに高品質なまま伝送できることをアピールした。

スマートなテレビの必須条件とは

 Nissan-Cohen氏は、スマートなテレビに必須の条件を3つ挙げた。1つ目は、あらゆるモバイル機器との接続性。2つ目は、テレビ放送波のみならず、モバイルゲーム機やスマートフォンに格納されたコンテンツといったさまざまな映像コンテンツに対応していること。3つ目は、モバイル機器をテレビに接続して使うときの利用者の使い勝手の高さである。

図 図2 多様なモバイル機器とテレビをどう結ぶか その答えは、映像を高品質なまま、低遅延で送れる無線通信技術にあると説明した。

 同氏は、これらの条件を実現する鍵となるのは、ケーブルのみならず、無線でもモバイル機器とテレビを接続できることだと主張する(図2)。テレビに接続するモバイル機器を変えるたびに、ケーブルをつなぎ直すのは手間が掛かる。モバイル機器に表示されたのと同じアプリケーションソフトウェアを、利用者が意識しないほどスムーズにテレビのディスプレイに表示して使える「ミラーリンク」を構築できれば、テレビに新たな付加価値が生まれる。

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