最後に紹介するのは、電磁誘導方式。古くからある方式ではあるが、2008年12月に設立された業界団体「Wireless Power Consortium(WPC)」の活動によって状況は大きく変わった。
この業界団体は、(1)コイルの設置自由度を高め、(2)企業や機器の種類に依存しない相互接続性を実現する標準規格(Qi規格)を策定した。いずれもワイヤレス給電技術の普及に向けた課題とされていた点で、Qi規格の意義は大きい。
2010年後半以降、Qi規格を採用した最終製品の発表が世界各地で相次いでおり、今後どのようなスピードで市場が立ち上がるのか注目したい。また、現在標準化された5W以下の規格に加えて、出力電力を15Wまたは、120Wに高めた標準規格の策定動向も、今後の展開を占う上で重要だ。「タブレットPCの市場が急速に立ち上がっており、10〜15Wの出力電力に対応したQi規格も早急に準備したい。電動工具やノートPCを対象にした120WのQi規格の準備も進めている」(WPCのブース担当者)という。
→日立マクセルに続きパナソニックもワイヤレス給電製品を投入、その意義は何か
→「Qi」規格に集うワイヤレス給電、5W以下のモバイルから普及へ
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.