競争が激化しつつある米国の電気自動車市場。プラグインハイブリッド車で先行するGeneral Motorsも、小型車「Chevrolet Spark」をベースにした「スパークEV」を2013年に発売する予定である。
General Motors(GM)は2011年10月31日(米国時間)、小型車「Chevrolet Spark」の電気自動車(EV)モデル(以下、スパークEV)に搭載する走行用モーターの試験生産を開始したことを明らかにした。現在、ミシガン州デトロイト市郊外ウィスコムのパイロットラインで製造しており、2012年後半に予定している量産はメリーランド州ボルチモアの近隣に位置するホワイトマーシュの工場で行う予定。ベース車となるChevrolet Sparkの新モデルは、排気量1.2リットルの小型車として2012年中ころに米国市場で発売される。一方、スパークEVは、2013年の発売を目標に開発が進められている。
ウィスコムのパイロットラインで行われた発表会では、スパークEV向けに開発中の永久磁石モーターが公開された(図1)。同モーターの出力は85kW(118hp)である。なお、GMが2010年末に発売したプラグインハイブリッド車「Chevrolet Volt(シボレー・ボルト)」の走行用モーターの出力は111kW(149hp)である。また、スパークEVの最大のライバルとなる日産自動車のEV「リーフ」は、出力が80kWの走行用モーターを搭載している。この他、2013年までに米国市場に投入されるEVとしては、Ford Motorの「Focus Electric」、Chrysler Groupの「Fiat 500EV」、Tesla Motorsの「Model S」、トヨタ自動車の「RAV4 EV」などがある(Automotive Electronicsの参考記事)。
GMで電動化技術担当のエグゼクティブディレクターを務めるLarry Nitz氏は、「これまで当社におけるEV関連技術において最も力を入れて開発してきたのは電池だった。今後はモーター開発にも注力したい」と述べている。また、同社は、永久磁石モーターだけでなく誘導モーターの開発も進めている。開発中のモーター技術は、EVやハイブリッド車の走行用モーターのみならず、車載モーター全般に適用する方針だ。
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