2011年11月に発売されたKindle Fire。それから1年もたたないうちに新機種が投入されると予測されており、Amazonがタブレット端末市場にかける意気込みが読み取れる。
Amazonのタブレット端末「Kindle Fire」シリーズの新型となる9インチモデルは、2012年中に市場に投入されるとの見方が強い。同社は、7インチの液晶パネルを備える第1世代のKindle Fireを2011年11月に発売したばかりだ。
米国の証券会社であるPacific Crest Securitiesでアナリストを務めるChad Bartley氏は、2012年2月9日に発表した出荷予測に関するリポートの中で、「Amazonは2012年半ばに、7インチ版の新型モデルに加えて、9インチ版のモデルも新たに発売する見込みだ」という見解を示した。
Bartley氏によると、Pacific Crest Securitiesは、2012年通年のKindle Fireの出荷数予測を、これまでの1270万台から1490万台に上方修正した。だが、この数字は、2011年第4四半期だけで1500万台も出荷されたAppleの「iPad」には遠く及ばない。
米国の調査会社Strategy Analyticsが最近発表したリポートによると、2011年10〜12月における世界タブレット端末の出荷数は、前年同期の1070万台から大幅に伸び、2680万台に達したという。Appleの市場シェアは58%で、同社による独占状態が続いていると言える。
また、同じく市場調査会社であるTransparency Market Researchによると、2011年の世界タブレット端末の出荷数は、6700万台に達したという。
9インチ版は、第1世代の7インチ版の発売から1年もたたない2012年の夏に発売されるとみられている。Amazonが、いかにタブレット市場での成功を目指しているかがうかがえる。複数の報道では、アマゾンは既に10インチ版のKindle Fireの開発に着手しているという。
一方、Kindle Fireは、Amazonがタブレット端末に先行して展開してきた電子書籍リーダー端末「Kindle」の需要をわずかに奪っているとの見方もある。Bartley氏も、Kindleの出荷予想を当初の2860万台から2400万台に下方修正している。
【翻訳:青山麻由子、編集:EE Times Japan】
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