世界中から半導体回路の最新成果が集結するISSCC。採択論文を口頭発表する一般公演に加えて、「デモセッション」も参加者の関心が高いイベントだ。採択論文の中から、実チップを使ったデモが可能な論文を選定し、発表者が会場でそのデモを披露するという企画である。その様子を、数多くの写真でリポートする。
半導体集積回路技術の国際会議「ISSCC(IEEE International Solid-State Circuits Conference)」には、世界中から半導体回路の最新の成果が集結する。2012年2月19〜23日に米カリフォルニア州サンフランシスコで開催された「ISSCC 2012」では、採択論文を口頭発表する一般公演に加えて、「デモセッション」も参加者の注目を集めていた。
ISSCCのデモセッションとは、採択論文の中からシステム/プロトタイプ/測定の実演が可能な論文を選定し、発表者が会場でそのデモを披露するという企画である。前回(ISSCC 2011)、企業が発表した技術で商用化を狙うものを対象に「Industrial Demonstration Session」と銘打ってスタートした。今回はこれに、学界からの発表を対象にした「Academic Demonstration Session」も加わっている。
本稿では、このデモセッションの様子を数多くの写真で紹介する。
米Georgia Institute of TechnologyのJeonghee Kim氏は、四肢に障害があるユーザーが口の中に歯列矯正の保持器具(リテーナ)のように装着することで、舌を使って高度な無線リモコン操作ができる“舌インタフェース”を披露した(論文番号6.8)。
Georgia Institute of Technologyの別の研究者であるDean Lewis氏は、64個のカスタムコアを集積したチップと256Kバイトのスクラッチパッドメモリ(SRAM)チップを重ねた「3D-MAPS(3D Massively Parallel Processor with Stacked Memory)」を動作させて見せた(論文番号10.6)(参考リンク:研究者のWebページ)。
米University of MichiganのDavid Fick氏は、ARMの「Cortex-M3」コアを128個集積したチップと、しきい値電圧に近い条件で動作する256Mバイトの積層DRAMを用いた3次元積層IC「Centip3De」を紹介した(論文番号10.7)。
真珠に埋め込んだ小型RFID素子を掲げるYuhui He氏。中国のTsinghua University(清華大学)の学生である(論文番号ES1:Student Research Preview, Session 3, 3.6)。
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