IWRは、太陽光発電のメリットとして、kWh当たりの発電コストが高いガスタービン発電を稼働させなくてもピーク需要を賄えることを挙げている。
ドイツの太陽光発電は日中のピーク電力需要を賄う役割を十分に果たす規模に成長しているのだろうか。5月25日に限らず長期間にわたって検証した報告もある。ドイツの研究機関であるFraunhofer研究所の太陽光関連の部門Fraunhofer-Institut für Solare Energiesysteme(Fraunhofer ISE)は、2012年5月28日、ドイツの太陽光発電と風力発電の実績についての情報を公開した(図3)*1)。
*1) 2012年の太陽光発電と風力発電(Stromproduktion aus Solar- und Windenergie im Jahr 2012、ドイツ語PDF)
ドイツでは、電力需要のピークを賄うために、太陽光発電と風力発電を組み合わせていることが分かる。原子力や石炭火力などはほぼ一定の出力で動かしている。同研究所が公開している過去1年間のデータを見ると、冬季は太陽光発電の出力が落ちる代わりに、風力発電が活躍し、夏季には逆の傾向があることも分かる。電力源を組み合わせて運用する手法は、再生可能エネルギーにおいても有効だ。
ドイツの勢いは今後どれほど続くのだろうか。
200社以上の関連各社が加盟する太陽光発電システムに関する世界最大の業界団体European Photovoltaic Industry Association(EPIA)は、2012年5月に「Global Market Outlook for Photovoltaics until 2016」と題した太陽光発電に関するリポートを公開している*2)。同リポートは欧州を中心に太陽光発電の現状と2016年までの将来予測をまとめたものだ。
*2) EPIAの出版物ページからPDF形式の76ページのリポートをダウンロードできる。
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