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若手を育てる最適解、それは「ともに学ぶ」こといまどきエンジニアの育て方(22)(1/2 ページ)

今の若手は「ゆとり世代」と呼ばれますが、40代後半から50代前半の世代が若かったころは、「新人類世代」と呼ばれていました。新人類世代の特徴を見てみると、「自発的でない」「残業、休日出勤を嫌がる」など、ゆとり世代と何ら変わらないことが分かります。そんな“新人類世代”の上司・ベテランエンジニアだからこそ、今の若手エンジニアとともに学ぶことができるのではないでしょうか。

» 2013年04月26日 09時00分 公開
[世古雅人,カレンコンサルティング]

「いまどきエンジニアの育て方」連載一覧

 1年前の4月に開始した本連載も今回で22回を迎え、ちょうど1年が経ちました。

 さて、皆さんの会社にも希望に満ちた新入社員が入社されたと思います。少しずつ会社に慣れてきたかもしれませんが、まだ社会人としては緊張の毎日を過ごしているのではないでしょうか?

 川崎テックデザインにも新入社員が入社しました。彼らは、新入社員研修の真っただ中。そんなとき、開発部のハード開発1課の田中課長は、入社3年目となった佐々木さんと話をしています。

今年の新入社員のタイプは“ロボット掃除機型”!?

無事にプロジェクトも終わって、3年目となったね!


はい! 1年前の今ごろは自信が持てず、くすぶっていた気がします。エンジニアの仕事の奥行きの深さを学んだ1年でした。


当社も新人が入ってきたしな。ところで、今年の新入社員のタイプは“ロボット掃除機型”と言われているけど、聞いたことあるかい?


ニュースで耳にしましたが、詳しくはちょっと……。


毎年、日本生産性本部から「今年の新入社員のタイプ」というものが発表されるのだが、“ロボット掃除機型”の由来は、「一見どれも均一的で区別がつきにくい」「段差(プレッシャー)に弱く、たまに行方不明になったり、裏返しになってもがき続けたりする」ということらしい。


へぇ、そうなんですね。面白いなぁ。


今年の新人は、佐々木さんの2年後輩に当たるわけだけど、どう思う?


ぶっちゃけですけど、今までの僕も“ロボット掃除機型”に近かったと思います。それに……。


それに?


今の僕ら、若年世代はみんな“ロボット掃除機型”なのかもしれません。小学校から「みんな違ってみんないい」と個性重視の教育をされておきながら、結局は没個性と言われてしまう。一人ひとりが自立しているようでいて、実は周囲にお膳立てをしてもらわないと何もできない……。


ほぅ……。



 ちなみに、日本社会生産性本部によれば、“ロボット掃除機型”の説明として、「能力を発揮させるには環境整備(職場のフォローや丁寧な育成)が必要」と書かれています。

 これを見て、読者の皆さんはどのように思われたでしょうか?

 同じようなことを、去年もおととしも、もしかすると10年前にも耳にしたことはないですか?

現実には難しい“環境整備”

 “新入社員のタイプ”の話に限らず、とかくこの時期は、新入社員に関する記事やニュースが何かと目立つものです。その多くはやはり、「いまどきの若者は……」といった内容ですが、具体的に何をどうすればよいのかを書かれている記事には、なかなかお目に掛かりません。

 先の“ロボット掃除機型”の解説のように、「環境整備が必要」「職場のフォローや丁寧な育成が必要」と言われたところで、具体的な行動をイメージできる人がどのくらいいるのかも疑問です。言葉を鵜呑みにして、制度ばかり整えても手間と費用がかさむばかりです。また、職場ぐるみで新人の育成に取り掛かろうにも、開発現場においては、新入社員に構っている余裕はありません。しかし、第20回で書いたように、育てる環境は「上司やベテランが意識して作る」ようにしないと、いつまでたってもできないのです。

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