ルネサス エレクトロニクスは2013年10月30日、都内で2013年度(2014年3月期)第2四半期決算説明会を開催し、同日発表した「変革プラン」について最高経営責任者(CEO)兼会長の作田久男氏が説明を行った。「ルネサスの社員は当事者意識が低い」「ルネサスは市場/顧客から離れかけている」「(注力事業への)集中が下手くそ」など歯に衣(きぬ)着せぬ表現でルネサスの問題点をはっきりと挙げ、それらの問題を解決していく姿勢を打ち出した。
ルネサス エレクトロニクスは2013年10月30日、都内で2013年度(2014年3月期)第2四半期決算説明会を開催し、同日発表した「変革プラン」について最高経営責任者(CEO)兼会長の作田久男氏が説明を行った(関連記事:ルネサスが変革プランを発表――2017年3月期営業利益率10%以上を目指す)。
変革プランは、「マーケットイン志向」「内部運営」「さらに強固な財務体質の構築」という3つの課題の解消を狙う趣旨だが、作田氏は、「発表資料では“課題”と表現しているが、率直に言って“課題”ではなく“危機”として認識している。マーケットイン志向を分かりやすく表現するならば、“ルネサスが市場/顧客から離れつつある”ということ。内部運営についても、一般的な会社よりも、少なくとも前にいた会社(オムロン)よりも“社員の(事業に対する)当事者意識が低い”という危機にある。粗利益率も改善傾向にあるが、財務的に見ればまだまだ脆弱(ぜいじゃく)」とし、CEOとして強い危機認識を持っている点を強調した。
これらの危機を乗り越えるには、「まず、徹底的に収益にこだわりたい。利益のない企業はむなしいだけ」と利益重視の姿勢を打ち出し、具体的な目標としては「“通過点”として2016年度営業利益率10%達成を目指して行きたい」とする。同目標達成後の“到達点”について作田氏は、「絶対値の目標を掲げるのではなく、商売は競争相手よりも有利な位置を得ることが生き残る上で重要だ。製造専業だが台湾のTSMCは30%程度の営業利益率があり、インフィニオンやフリースケールも10%を上回る営業利益率がある」と、具体的な名前を挙げながら競合を上回る利益率を目指して行く考えを示した。
危機克服、収益向上に向けた具体策は、構造改革と事業戦略の2つの軸で進めていく。
構造改革は、「利益の源泉はGP(粗利益)であり、GPを改善することが極めて重要」と粗利益を重要指標として進める方針。「GPは円安やこれまでの社内努力で若干改善方向にあるが、さらなる確固たる改善が不可欠。GPを改善するには、固定費、変動費の改善と、製品構成の見直しが必要」との考えを示す。
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