スマートフォンの普及とともに、さまざまなウェアラブル機器が台頭している。これらの端末の進化を支えているのがセンシング技術だ。加速度センサーや角速度センサーなど、スマートフォンでは一般的になっているものから、赤外線センサーやジェスチャ制御センサーまで、さまざまなセンサーを紹介する。
センサーが、あらゆる分野で使われるようになってきている。こうしたセンサーは大きさも形もさまざまだ。最近のスマートフォンには、気圧センサーや湿度センサーまで搭載されている。
アクセンチュアで技術関連のアナリストを務めるJohn Curran氏は、「『2014 International CES』では、実にさまざまなセンサーやセンシング技術が披露された」と語る。温度や圧力、磁気のセンシングはもちろんだが、とりわけ、目の動きやジェスチャを基にしたトラッキングに関するセンシング技術が進化したようだ。「過去数年間、開発されていたものが、2014年には数多く発表されるだろう」(Curran氏)。
センシング技術を活用した製品やビジネスも増加している。Curran氏は、「センサーの耐久性や信頼性が向上してきた今、それらのセンサーを使って収集したデータをうまく生かそうとする、面白いビジネスが登場し始めている」と述べている。
では、2014 CESをはじめ、ここ数年で登場したセンサー/センシング技術をいくつか紹介しよう。
ウェアラブル機器はここ最近、CESをはじめさまざまな場面で注目を集めた。米国の市場調査会社IHSのMEMSおよびセンサー部門で主席アナリストを務めるJeremie Bouchaud氏は、EE Timesに対し、「センサーがウェアラブル機器を支えている。ウェアラブル機器は、エレクトロニクス業界をけん引する力があると思っている。この分野は、面白くなり始めている」と述べる。
「自己定量化(Quantified Self)」とは、例えば、1日の歩数を計測したり、カロリーの消費量を数値化したりすることだ。自己定量化は、急速に成長するウェアラブル機器市場において、消費者にアピールする要素となっている。消費者は、自らの活動をデジタルデータに変換できる、ライフスタイルや目的に見合った機器を求めているという。
アクセンチュアのCurran氏は、ウェアラブル機器の外観も重要な要素だと指摘する。「ウェアラブル機器は、他の機器よりも、ユーザーのセンスが現れるものだ。機能を小型のウェアラブル機器に収めてほしいというニーズは、メーカーにとって、技術を統合する機会になるだろう」(Curran氏)。
エプソンの「Pulsense」は、外観にもこだわったウェアラブル機器の一例だろう。Pulsenseは心拍データや歩数、カロリー消費量、睡眠パターンなどを計測/記録するもので、2014年夏に米国で出荷される予定である。Bluetooth 4.0に対応していて、専用アプリをインストールすれば、スマートフォンでデータを確認できるようになっている。さらにPulsenseはオープンソースなので、サードパーティがPulsense向けのアプリを開発することが可能だ。
これはウェアラブル機器なのか、それともセンサーなのか。Notch Interfacesのセンサー「Notch」は、衣服に取り付けて体の動きをトラッキングするものだ。3軸加速度センサーと3軸角速度センサー、3軸磁気センサーを搭載している。収集したデータは、Bluetooth 4.0(Bluetooth Low Energy)を介してスマートフォンに送信される。
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