ボッシュは、大気圧と温湿度のセンサーをワンパッケージに集積した統合型環境センサー「BME280」を、2014年1月に発表した(関連記事:ボッシュがIoT時代に対応した小型/高性能の環境センサー)。スポーツやフィットネスでの使用を想定している。
スマートフォンでは、サムスン電子の「GALAXY S4」に、温度センサー、圧力センサー、湿度センサーが搭載されている(関連記事:Samsungの「GALAXY S4」を分解、本丸はCortex-A7/A15の8コアプロセッサ)。
スマートフォンに温度センサーや湿度センサーを統合するトレンドは続くのだろうか。これについて、IHSのBouchaud氏は、「湿度センサーの搭載は、特に興味を引き付けるものではない。GALAXY S4では、湿度センサーをうまく活用した機能はみられない」と述べている。
だが、スマートフォンメーカーは、さまざまなセンサーを端末に搭載しようと試みている。同氏は「さまざまなセンサーがスマートフォンに搭載されているが、中には単なる“技術の押しつけ”であるものも少なくない」とした上で、「実際にニーズがあるかというと、実はそうでもない。特に湿度センサーの搭載については、今後定着するか分からない」と結論付けている。
カナダの新興企業Thalmic Labsの「Myo」は、リストバンド型のジェスチャ制御機器だ。腕の筋肉の電気信号から、腕が動いている方向を検知して、物を制御する。加速度センサーや角速度センサー、磁気センサーを搭載している。視覚障害者向けのナビゲーションシステムなどの用途を想定しているという。
Bouchaud氏は、「化学センサーやバイオセンサーにも高い関心が寄せられている。大気汚染などに敏感になっている人が増えているからだ」と話す。同氏は、「スマートフォンの機能は、センシング技術を搭載することで、今よりも複雑になっていくのではないだろうか。ただ、例えば花粉などを検知する機能をスマートフォンで実現する場合、現在の形状や価格ではなかなか難しい」とも指摘している。
さらに同氏は、「指紋センサーなどのバイオセンサーに対するニーズも増えていくだろう」と述べた。
バイオセンサーを利用した機器の一例に、BACtrackの「S30 Breathalyzer」がある。これは、血中アルコール濃度を計測するポータブル機器だ。高さ約10cm、厚み2.5cm程度、重さ約50gという小型の機器である。
【翻訳:青山麻由子、田中留美、編集:EE Times Japan】
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