2010年に発表されたBluetooth Smartは、モノのインターネット(IoT)の担い手となった。2013年12月に策定が完了したBluetooth 4.1は、IoTをさらに一歩進め、「1対1」だけでなく「1対多数」の接続を実現している。全てのモノが常時つながる“あらゆるモノのインターネット”時代が本格的に到来しようとしている今、Bluetooth 4.1がその根幹となる技術として注目を集めている。
2010年にリリースされたBluetooth Smart(低消費電力に対応したBluetooth 4.0のブランド名)。以来、普及が進み、今日までに最も速く普及した無線通信技術となりました。
Bluetooth Smartが革新的だといえる理由は2つあります。1つは消費電力が非常に低いということ。もう1つは、スマートフォンやタブレット端末、PCのアプリケーションに端末を接続できるという点です。こうした特長により、Bluetooth技術は、小型バッテリーで長時間動作し、アプリケーションにデータを送信する小型端末、いわゆる「アプセサリ*)」という新たなカテゴリを生み出しました。アプセサリは収集した有益な情報を接続先のアプリケーションに送信します。これが、“スマートな端末”と呼ばれるゆえんなのです。
*)アプセサリ:AccesoryとApplicationを組み合わせた造語。
現在、主要なスマートフォンOSでは標準機能としてBluetooth Smartをサポートしていて、今後もその傾向は強まるとみられています。米国の調査会社であるABI Researchによると、Bluetooth Smartに対応したデバイスの出荷量は2011年に3億4100万台でしたが、2018年までに年間27億台に達する見込みです。
機器メーカーや新興企業は、活動量計やスマートウオッチなどを毎週のように発表しています。こうした何百種類ものスマート機器によって、Bluetooth Smartは「個人のモノのインターネット(IoT:Internet of Things)」ブームを巻き起こしたのです。
Bluetooth SIGは2013年12月、「個人のモノのインターネット」から「あらゆるモノのインターネット」への移行を実現する鍵となる技術として、Bluetooth 4.1を発表しました(関連記事:Bluetooth 4.1の策定が完了)。これによって、Bluetooth Smart技術はさらなる成長を遂げると考えられます。Bluetooth 4.1は技術的に大きく進歩しただけでなく、同技術を採用することで、より柔軟で幅広い分野における開発が可能になります。モノのインターネットの普及を促し、革新的かつ直感的な製品の開発を支援する上で、開発者コミュニティにとっても大きな前進となっています。
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