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NVIDIAが2015年度Q2の決算を発表、「Tegra」が飛躍的な成長を遂げるビジネスニュース 企業動向

NDIVIAが2015年度第2四半期の決算を発表した。モバイル向けプロセッサ「Tegra」やデータセンター向けGPU「NVIDIA GRID」、ゲーム機向けGPU「GeForce」の需要が堅調で、特にTegraの売上高は前年同期比で約2.6倍となり、大きく成長した。

» 2014年08月12日 11時35分 公開
[Ismini ScourasEE Times]

 NVIDIAは2014年8月7日、2015年1月期(2015年度)第2四半期(2014年7月24日締め)の決算を発表した。消費者向けPC市場における季節的な減速傾向による影響はあったものの、モバイル向けプロセッサ「Tegra」が飛躍的な成長を遂げている。

 2015年度第2四半期の売上高は、前年同期の9億7700万米ドルから13%増となる11億300万米ドルに達している。利益に関しては、前年同期比で30%増、同年前期比では4%増となる1億7300万米ドルだった。また粗利益率は、過去最高となる56.4%を達成したという。その要因としては、コンシューマ向けGPUの平均販売価格が堅調だったことや、GPU「Tesla」の四半期売上高が過去最高を記録したことなどが挙げられる。

GPUの需要は堅調

 2015年度第2四半期におけるGPUの売上高は、8億7800万米ドル。前年同期の8億5800万米ドルからは2%増、同年前期の8億9600万米ドルからは2%減となる。GPUの売上高成長は通常、消費者向けPC市場の周期的な低迷による影響を受けやすい。だがNVIDIAは、ゲーム機向けのGPU「GeForce」や、データセンター/クラウド向けのTeslaおよび「NVIDIA GRID」などの需要は堅調だったとしている。

 NVIDIAのCFO(最高財務責任者)を務めるColette Kress氏は、発表資料の中で、「Tegraや、ゲーム機向けのGeForce、データセンター/ワークロード向けのNVIDIA GRIDなどの売上高が堅調だったことにより、成長がけん引された」と述べている。デスクトップPC/ノートPCなどのゲームに向けたGeForceの売上高は、成長率10%で伸びているという。GeForceシリーズには、最近発表されたばかりの「GTX750」や「GTX750 Ti」の他、「Maxwell」アーキテクチャを採用したGPUなども含まれている。

 またKress氏は、「データセンターや高性能コンピュータに向けたTeslaとNVIDIA GRIDは、飛躍的な成長を遂げている。その要因としては、VDI(デスクトップ仮想化)の導入が進んだことや、クラウドサービスプロバイダの大規模プロジェクトにおいて採用されたこと、さらに高等教育機関や政府からの需要が伸びたことなどが挙げられる。グラフィックスソリューション『Quadro』の売上高も、特にモバイルワークステーション分野での成長が堅調だったことを受けて増加している」と述べている。

 NVIDIAの経営幹部は、決算発表の後で行われたアナリストとのカンファレンスコールの中で、Teslaが現在、スーパーコンピュータの省エネランキング「The Green 500 List」にランクインしている15機種において採用されていることを明らかにした。Teslaは、米国と欧州の中で最速のコンピュータに搭載されている他、世界最速の企業向けスーパーコンピュータでも採用されているという。

「Tegra」も好調

 NVIDIAのモバイル向けTegraシリーズの売上高は、2014年第2四半期には5900万米ドルだったが、2015年度第2四半期には1億5900万米ドルに達し、飛躍的な成長を実現した。2015年度第1四半期の1億3900万米ドルからは14%増となる。NVDIAのKress氏は、「スマートフォンやタブレットと同じく、主に車載インフォテインメント市場やモバイル機器市場などによって成長がけん引された」と述べている。

【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】

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