Wi-Fi Allianceは、「Wi-Fi Direct認定プログラム」に追加された拡張機能を発表した。新機能を搭載した機器同士では、ネットワークの接続やデータの送受信を行うための設定が容易になるなど、より使いやすくなる。
Wi-Fi Allianceは2014年9月16日、東京都内で記者発表会を開催し、「Wi-Fi Direct認定プログラム」に追加された拡張機能を発表した。新機能を搭載した機器同士では、ネットワークの接続やデータの送受信を行うための設定が容易になるなど、より使いやすくなる。
今回の機能拡張では、機器間で利用可能なサービスを発見しやすくして、機器間の接続を簡単に設定できるようにした。これまでは機器間の接続やデータ送受信を行うために複雑な設定や操作が必要であったが、拡張機能を搭載した機器では、1回の操作で「発見、接続、実行」が行えるという。
拡張機能は、従来のスーパーセット(上位拡張機能)と位置付けており、4つのサービスを設定している。1つ目が「W-Fi Direct Send」である。1台あるいはそれ以上の機器に対して、機器に保存されている写真データなどを選択し送信ボタンを押すなど、わずかな操作で送受信することができる機能だ。2つ目は「Wi-Fi Direct Print」である。スマートフォンやタブレット端末、PCなどに保存されたデータやテキストを選び、印刷ボタンを押すだけで、ネットワーク上にあるプリンタにデータを送信し、印刷することができるという。
3つ目がDLNA相互運用性ガイドライン準拠のデバイス同士がストリームコンテンツ接続前に互いを発見する「Wi-Fi Direct DLNA」、4つ目が、「Miracast」である。この機能は機器が自動的に通信相手を探し、スクリーンミラーリングと表示を1つの動作で行うことができるという。
Wi-Fi Alliance のマーケティング担当で、バイスプレジデントを務めるKelly Davis-Felner氏は、「4つのサービスのうち、W-Fi Direct SendとWi-Fi Direct Printについては、既にWi-Fi Alliance側で定義を終えた」と話す。拡張した新機能については2014年8月より、認定を開始している。「既にLG製スマートフォンが、新たなの拡張機能について認定された」(Felner氏)という。
拡張機能を備えたWi-Fi Direct対応機器の開発を促進していくため、システム開発者向けの「Wi-Fi Direct Toolkit」も用意している。また、「Google Nexus 10」、「Marvell Avastar 88W8797 802.11a/b/g/nリファレンスデザイン」、「Mediatek MT6592+6625Phone」、「Qualcomm Snapdragon 800ベースでXSPAN802.11nの接続性を備えたLinux Android System」、「Realtek 2×2 11a/b/g/n/ac MiniCard」「セイコーエプソン100-120V、100W、WFDS PWG Raster Print Serviceレファレンスデザイン」を、現時点でWi-Fi Directの機能拡張に対応しているテストベッドデバイスとして紹介した。
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