Wi-Fi Directは、2010年に導入された認定プログラムである。アクセスポイントがなくても、Wi-Fi Direct機能をサポートしている機器同士であれば無線接続することができ、データの送受信が行える。このため、スマートフォン、タブレット端末、テレビやホームシアターなどの家電製品を中心に、6000以上の製品が、Wi-Fi Directの認定を既に受けており、その累計出荷数は20億台に達すると推定されている。
また、調査会社のデータによれば、2018年までに、Wi-Fi対応機器の81%がWi-Fi Direct対応機器になるとの予測もある。特に、IoT(モノのインターネット)により、インターネット接続機器数のさらなる増加などを挙げる。こうした環境下で、「既存のWi-Fi対応機器との互換性」や「実証済みの強固なセキュリティ」などが、Wi-Fi通信技術の強みであると強調した。
記者会見でFelner氏は、Wi-Fi Direct以外のWi-Fi CERTIFIEDプログラムの近況についても紹介した。「IEEE 802.11ac」については、802.11nとのデュアルバンドへの移行が進み、これまで600以上の製品が認定を取得した。このうち、約75%はタブレット端末または携帯電話機という。2015年末には周波数帯域が160MHz幅まで対応する予定だ。
「Wi-Fi CERTIFIED Passpoint」は、これまで100以上の製品が認定された。2014年10月に出荷されている「リリース2」で、ポリシーメカニズムおよびオンラインサインアップの機能が追加される予定だという。
「WiGig CERTIFIED」に関しては、認定プログラムが2016年初頭にリリースされる予定だ。60GHzの高い周波数を利用することもあり、実装を含めて技術の完成度を高めるために時間がかかっていることから、「2014年末としていた当初の予定よりもやや遅れている」と語った。さらに、900MHz帯を用いる「802.11ah」については、「商用の認定プログラムは2016〜2017年になる」との見通しを明らかにした。
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