NVIDIAのエンジニアチームが、最新GPUアーキテクチャ「Maxwell」を使い、「アポロ11号」が本当に月面に着陸していたことを、あらためて証明した。
「アポロ11号」は、やはり月面に着陸していた――。これを最新のテクノロジーで証明したのが、NVIDIAのエンジニアチームである。
1969年7月16日に米国を飛び立ったアポロ11号は、4日後の7月20日に月に到着、船長のニール・アームストロングと操縦士のバズ・オルドリンが、人類で初めて月面に降り立った。アームストロングが、月着陸船から下りるオルドリンを撮影した写真や、米国の国旗を月面に立てる写真などは、あまりにも有名である。が、この写真を検証し、光の当たり方が不自然、星が見えない、などの理由から、「アポロ11号は月に行っていない」と唱える者も出てきた。いわゆる“アポロ計画陰謀説”である。
NVIDIAのチームは、上記のオルドリンの写真をモデリングし、月面での光の状態を再現することで、この陰謀説を覆した。同社の最新アーキテクチャ「Maxwell」と、Epic Gamesが開発したゲーム統合開発環境「Unreal Engine 4」を使い、光の当たり方をシミュレーションしたのである。
Maxwellを採用したGPUは、「VXGI(Voxel-Based Global Illumination)」という技術によって、物体に直接当たる光や、物体に反射した光をリアルタイムで演算し、表現することができる。
NVIDIAのチームは、オルドリンの月面着陸のシーンをより正確にモデリングするために、月面を覆っているチリや砂の成分から、はしごや宇宙船の素材、宇宙服の素材まで、ありとあらゆる情報を集めた。
モデリングで再現した月面着陸のシーンのジオメトリを数千ものボクセル(3Dピクセル)に分解、1つ1つのボクセルの6つの面全てにおいて透明度や光の反射率などを解析していった。このように各ボクセルを解析することで、光がどのように当たっているのか、どのように反射しているのかが分かるという。
その結果、オルドリンの写真を、光の当たり方を含め細部に至るまでほぼ忠実に再現することに成功。アポロ11号が本当に月へ行ったことを、あらためて証明したのである。
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