CSRが提案する「CSRmesh」技術は、Bluetooth Smartを活用して、メッシュネットワークに接続されたほぼ無数の機器を、スマートフォンなどから制御することが可能となる。CSRは、クラウドシステムと連動したサービスプラットフォームなどの環境整備も進めていく考えだ。
CSRは、「CEATEC JAPAN 2014」(2014年10月7〜11日、千葉市・幕張メッセ)会場で「IoT社会を支えるCSRの技術とその取り組みについて」記者説明会を行った。同社が開発した「CSRmesh」は、Bluetooth Smartを活用して、メッシュネットワークに接続されたほぼ無数の機器を、スマートフォンやタブレット端末などで制御することが可能となる。CSRは、クラウドシステムを活用したサービスプラットフォームなどの環境整備も進めていく考えだ。
CSRは、2014年2月に「CSRmesh」を発表した。CSRmeshは、Bluetooth Smartのプロトコルを採用しており、ネットワーク内でBluetooth Smart対応機器を制御することが可能となる。これらの機能は、CSR製システムLSI「CSR101x」や「CSR8811」が実装された機器にソフトウェアを追加することで実現することができる。しかも、メッセージ送信は単体の機器同士に加えて、グループ化した機器単位でも行えるという。ネットワークを構築するための複雑な設定やペアリングは不要で、ルータなどのアクセス機器を経由することも必要ない。
例えば、家庭内でCSRmeshを用いてネットワークを構築すると、Bluetooth Smartに対応した照明器具や暖房機器、家電機器、防犯システムなどを、スマートフォンやタブレット端末、PCから容易に制御することができる。既に、サムスンのスマート照明システムをはじめ、複数の大手照明メーカーが、CSRmesh技術を自社のホームネットワークに採用しているという。
CSRテクノロジーズのバイスプレジデント兼最高イノベーション責任者を務めるHamid Ahmadi氏は、「Bluetooth Smartは、IoT(Internet of Things)に適している技術である。多くのスマートフォンにBluetooth Smart機能が組み込まれ、照明機器やウェアラブル機器、フィットネス/ヘルスケア機器などにも搭載が進んでいる。近距離無線通信を活用し、さまざまな機器をスマートフォンで一元管理できる可能性が広がってきた」と話す。
ただ、従来のBluetooth技術だと、Class 1対応でも到達距離は最大100mと限界があった。この課題を解決する1つの方法がCSRmesh技術である。Ahmadi氏は、「CSRmesh技術を用いると、必要なソフトウェアをBluetooth Smart対応機器に搭載するだけで、メッシュ状に接続された機器同士が、リレーするような形で次から次へと通信することができる。このため、到達距離を拡大していくことができる」と述べる。
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