採択論文数を国・地域別にみると、日本は25件で前回と同数となった。米国は74件(前回は82件)で圧倒的強みを見せた。韓国は29件(同23件)と大きく伸ばし、採択件数で日本を抜き2位となった。論文は世界85の企業や大学、研究機関より発表される。最も採択件数が多いのはKAIST(韓国科学技術院)の13件で、Samsung Electronicsの10件、Intel、IMECのそれぞれ8件、IBMの7件、Broadcomの6件と続く。日本からの採択上位は、東京工業大学が4件でトップとなり、富士通と東芝がそれぞれ3件などとなっている。井上氏は、「世界的にみても、採択された論文数のうち今回は59%を大学が占めるなど、大学の比率が増加傾向にある」と指摘する。
論文は「アナログ」や「RF」、「ワイヤライン通信」、「ワイヤレス通信」「IMMD」(イメージセンサーやディスプレイなど)といった、10のカテゴリに分類されている。分野別構成比に大きな変動はないが、今回は「アナログ」や「ワイヤライン通信」、「IMMD」、「高性能デジタル」といった分野がわずかにポイントを上げた。
ISSCC 2015の技術トピックは大きく3つあるという。技術面では、「14nm FinFETを使ったメモリや各種回路コンポーネントの技術」、「8K/4K動画などに向けたセンサーと処理回路の技術」、「電源やパワーアンプなどアナログ/デジタル回路の集積化技術およびアナログ技術の進化」だという。応用技術面では「知的コンピューティングに向けたアーキテクチャの開発」である。3つ目はセンシングに関するもので、「バイオメディカル領域に向けたセンサーおよび回路技術」と「セキュリティ技術」を挙げた。
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