2015年2月に開催される「ISSCC 2015」の概要が明らかになった。IoT(モノのインターネット)社会を具現化していくためのデバイス技術やシステム集積化技術などに関して、最先端の研究成果が発表される予定である。日本からは前回と同じ25件の論文が採択された。
半導体集積回路技術の国際会議「ISSCC(IEEE International Solid-State Circuits Conference)」は2014年11月17日、東京都内で会見し、2015年2月22〜26日に米国カリフォルニア州サンフランシスコで開催する「ISSCC 2015」の概要を発表した。事前プログラム(Advance Program)は11月中旬にISSCCのWebサイトに公開される予定だ。
ISSCCは、半導体集積化電子回路技術およびシステム集積化技術に関して、最先端の研究成果が発表される国際会議である。今回で62回目の開催となるISSCC 2015のテーマは「SILICON SYSTEMS — SMALL CHIPS for BIG DATA(シリコンシステム――ビッグデータ向けの小型チップ)」である。IoTによって生み出される膨大なデータを収集し、演算処理して活用できるデータとするためには、小型・低消費電力で、強力な処理能力を備えたICチップが必要となる。ISSCC 2015では、IoTとビッグデータの有効活用を視野に入れて開発された、さまざまな技術などが注目を集めることになろう。
ISSCC 2015は会期中、3件の「基調講演」をはじめ、「チュートリアル」、「アドバンスト回路設計フォーラム」および「一般論文発表」などが予定されている。会見では、ISSCCのTPC Chairを務めるHoi Jun Yoo氏や、Far East Chairを務めるJae-Youl Lee氏、Far East Secretaryを務める井上淳樹氏などから、会議の概要や論文トレンドが紹介された。
今年の投稿論文数は610件で、ここ数年はほぼ横ばいで推移している。採択論文数は206件で採択率は33.8%となり、前回と比べても大きな変動はない。地域別の採択論文数はアジア地域が82件となり、75件にとどまった北米地域を再び逆転し、首位に返り咲いた。欧州からは49件が採択されている。井上氏によれば、「アジア勢は、不揮発性メモリやイメージセンサー、パワーコンバージョン、ローパワーSoCなどの技術領域に強い」という。
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