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クアルコムの中国への投資戦略は正しいのか?ビジネスニュース 企業動向(1/3 ページ)

中国企業への投資に力を入れるQualcomm(クアルコム)。だが、一筋縄ではいかないようだ。中国は、国をあげて半導体業界を活性化させようとしていることもあり、Qualcommの投資額が微々たるものとみられている可能性もある。

» 2014年12月18日 12時05分 公開
[Junko YoshidaEE Times]

 Qualcommの中国での基盤は、まだ確固たるものではない。同社もこの現状を理解している。

 同社は2014年7月に、中国のモバイルエコシステムに1億5000万米ドルを投資する計画を発表している。だが、この戦略が、同社が独占禁止法違反の疑いで中国当局から調査を受けている件に対して、どのように作用するかは現時点では不明である。

 中国の独占禁止当局は、Qualcommが市場を独占しているとして2013年11月から調査している。中国当局は、Qualcommが価格のつり上げや独占的地位の乱用を行っているとの判断を示していて、Qualcommは最大10億米ドルの罰金を課される可能性がある。これはQualcommにとって大きな問題だ。だが、Qualcommと同社の投資家がより深刻な問題と考えているのは、同社の大きな収益源であるライセンス事業でライセンス料の引き下げを迫られていることだ。ライセンス事業は、同社の売上高の約1/3、利益の約2/3を占める。

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 実際にQualcommは、2014年第4四半期(2014年7〜9月期)の決算発表において、中国の一部ライセンシーが売上高を過少申告していることや、ある中国企業との間でライセンスに関する係争が起こっていることを明かしている。同社は、「こうした状況が拡大すれば、中国の他のライセンシーも同調して、ライセンス料の支払いを渋ることも考えられる。そうなれば、売上高に深刻な影響が及ぶことになる」との懸念を示している。

 さらに、中国のライセンシーが売上高を過少申告することで、Qualcommのチップを搭載するデバイスの出荷台数の見積もりも減少してしまう。

 だが、こうした状況にもかかわらず、Qualcommは2014年12月12日に、中国のソフトウェア/アルゴリズム開発企業4社とLPファンドであるWalden Venture Investmentsに対して4000万米ドルを投資すると発表した。これら5社は、Qualcommが先に発表している中国ベンチャー企業に対する1億5000万米ドルの戦略的投資の下、初めて投資を行う企業となる。

 今回、資金提供を受けるのは、アイトラッキングシステムを手掛ける7Invensun、モバイルエンターテインメントプラットフォームを開発するChukong Technologies、スマートホームデバイス/プラットフォームのプロバイダーであるinPlug、音声認識/処理技術を手掛けるUnisound、Walden Ventures Investmentである。

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