同氏は、「中国に対する投資資金は、ハードウェア関連の新興企業に対してではなく、ソフトウェアメーカーに提供される場合が多い。このため、中国の半導体関連の新興企業は、米国の場合と同様に、投資コミュニティからあまり興味を持たれていないと感じている」と嘆く。
しかし、多くの中国情報筋の興味をかき立てるのは、Qualcommの投資先にChina Walden Ventures Investmentが入っているという点だ。
中国の半導体新興企業の創設者は、「最も重要なのは、現在も半導体業界への投資を続けている数少ない企業の1つであるChina Waldenが、投資先に入っているということだ。これは、Qualcommの中国に対する投資目的と関連があるのではないだろうか。
Qualcommが中国ベンチャー基金として1億5000万米ドルを用意すると発表した時、同社は「半導体業界における強力なプレーヤーとして中国を見ている。当社は、半導体製造装置を手掛けるAMEC(Advanced Micro-Fabrication Equipment)など、中国の企業への戦略的な投資を追加したい」と語っている。
1億5000万米ドルの投資を発表する以前から、Qualcommは、同社が投資した中国企業は成功していると主張している。これらの企業には、例えばモバイルコンテンツを手掛けるEnorbus(ウォルト・ディズニーが買収)、ネットワークプロバイダであるAicent、モバイル向けセキュリティ技術を提供するNetQinなどが含まれている。その他、注目すべき中国の投資先として、Xiaomi、ThunderSoft、MadHouse、CooTekなどを挙げている。
そのため、1億5000万米ドルは小さな額かもしれないが、Qualcommは、中国で勝ち残っている企業に投資したというよい実績を持っていると主張している。
Qualcommによる中国の新興企業への投資は、好スタートともとれるが、結果を早く出すことを好む中国の政治家を納得させるには、投資額が少なすぎるのかもしれない。
【翻訳:滝本麻貴、田中留美、編集:EE Times Japan】
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