Digi Internationalは、IoT/M2M向けの製品をハードウェアからクラウドサービス、スマートフォンなどのアプリまで、総合的なプラットフォームとして提供できることが強みだ。
M2M/IoT向けの製品を長年手掛けるDigi International。ここ数年、エレクトロニクス業界のトレンドになっているモノのインターネット(IoT)は、同社にとって追い風となっている。
同社で、Asia/EMEA Sales and Marketingのバイスプレジデントを務めるFrederic Luu氏は、「この2〜3年でIoTという言葉が特によく聞かれるようになってきた。何十億台もの機器がつながり、IoTを利用した新しい製品やシステムの登場が期待されるが、当社にとって重要なのは、われわれの顧客が、M2Mを含めIoTを導入することでどのくらい低コスト化を図ることができるのかという点だ」と話す。
IoTは、概念自体は昔から存在していたものの市場としてはまだ新しい。無線通信技術や低消費電力のプロセッサ、高感度のセンサー、超小型モジュールなど、IoTを支える個々の要素技術は進化しているものの、規格の統一などは遅れていて、「Open Interconnect Consortium(OIC)」や「AllSeen Alliance」など、いくつかの標準化団体がやっと立ち上がったばかりである。実際にLuu氏によると、Digiの顧客からは「複雑そうにみえる」、「導入するに当たって具体的に何をすればいいのか分からない」といった声も聞かれるという。
Digiの最大の強みは、そういった顧客にも対応できるよう「完全なIoTソリューションを提供できること」(Luu氏)だという。「当社は、センサー、シングルボードコンピュータから、RFモジュール、ルータ、クラウドサービス、スマートフォン/タブレット端末のアプリケーションに至るまで、IoTプラットフォームとしてサポートできる」(同氏)。
例えばルータは、40万台が90カ国で導入されている。2014年9月には、IoT向けにQualcommの「Gobi」を搭載したLTE対応のルータを発表した。米国においてVerizon、AT&T、およびSprintの2G、3G、4Gネットワークに接続できるようになる。具体的な用途は、ATM、POSなど多くのスループットを必要とするシステムだ。クラウドについては、クラウドコンピューティングを手掛けるEtheriosを2012年に買収したことで強化を図った。現在は「Device Cloud by Etherios」として、クラウドサービスを提供している。Luu氏は、「IoT向けの製品をここまでトータルにカバーしているメーカーは他にない」と強調する。
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