ルネサス エレクトロニクスは2015年1月、90nmプロセスを用いて耐圧数十Vクラスのアナログ回路を混載した車載用フラッシュマイコンを開発中であることを明らかにした。
ルネサス エレクトロニクスは2015年1月、車載マイコン用製造プロセスとして、耐圧数十Vクラスのアナログ回路とフラッシュメモリ内蔵マイコン(フラッシュマイコン)を混載する90nm世代のプロセスを開発中であることを明らかにした。同社は、次世代車載マイコン向けに28nmプロセス製品開発にも着手しており、車載マイコン分野で先端プロセスを積極導入し、競争力強化を狙っている。
このほどルネサスが開発したプロセスは、ロジック、メモリとともに、数十Vの高い耐圧を持つアナログ素子を同一チップに混載するミックスドシグナルプロセスで、最小加工寸法を従来の150nmから90nmに微細化したもの。より1チップに搭載できる回路規模、メモリ容量が拡大し、応用範囲が広がる。同社第一ソリューション事業本部副事業本部長で車載制御システム事業部長を兼務する吉岡真一氏は、「従来、ブラシレスDCモーターなどのドライバ回路とフラッシュマイコンを別チップで製造し、SiP(システムインパッケージ)で1パッケージ化していた多くの製品を、1チップ化できるようになる」とする。
なお、RL78の上位コアである「RH850」ベースのマイコンへの同プロセスの適用については「将来的に可能性はあるが、ハイエンドクラスでは、最先端プロセスのマイコンとアナログ回路チップのSiPソリューションとなるため、RH850への適用は一部に限られるだろう」とした。
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