短距離無線通信規格であるBluetooth技術が、IoT(モノのインタネット)を実現する技術基盤として進化を遂げる。新たに策定されたコア仕様「Bluetooth4.2」は、プライバシー保護の強化や転送速度の高速化、IPv6への対応などを図った。
短距離無線通信規格であるBluetooth技術が、IoT(モノのインタネット)を実現する技術基盤として進化を遂げる。新たに策定されたコア仕様「Bluetooth4.2」は、プライバシー保護の強化や転送速度の高速化、IPv6への対応などを図った。これらの機能強化によって、さまざまな機器においてBluetooth技術搭載の期待が高まる。
Bluetooth SIG(Special Interest Group)は2015年1月23日、東京都内で記者会見し、2014年12月に発表された「Bluetooth4.2」に関する概要などについて紹介した。現行のBluetooth Smartと下位互換性を保ちつつ、「より高速に」、「より安全に」、「より接続性に優れた」技術とするなど、IoTを実現するための機能強化を図った。
新たに強化された機能の1つが、IPv6への対応だ。新しいプロファイル「Internet Protocol Support Profile(IPSP)」により、IPv6/6LoWPANを介して、Bluetooth Smart対応機器を直接、インターネットに接続できるようになる。
2つ目がプライバシーとセキュリティの強化である。不正トラッキングからBluetooth Smart対応機器を守るプライバシー保護機能や、共通鍵暗号方式である128ビットAES(Advanced Encryption Standard)に対応したセキュリティレベルを実現している。
3つ目は転送速度の向上である。伝送できるパケットサイズを現行のBluetooth4.1に比べて10倍に増やした。これにより、Bluetooth Smart対応機器間のデータ転送速度は最大2.5倍に向上するという。転送速度とパケットの容量が増えたことで、送信エラーの発生を抑え、消費電力を削減できるため、効率の高い接続が可能となる。
Bluetooth SIGでブランド&デベロッパーマーケティングのシニアディレクタを務めるErrett Kroeter氏は、「調査会社によれば、Bluetooth対応機器の年間出荷台数は2000年に80万台だったが、2014年には30億台に達した。2018年には49億台に達する見通しだ。ほぼ世界の人口に匹敵する規模となる」と話す。
急成長を遂げた理由についても、「2010年に発表したBluetooth Smartのインパクトが大きい。極めてローパワーであることと、標準の開発ツールを提供したことにより、アプリケーションソフトウェア開発の環境が充実した点を挙げることができる。これによって、これまでに類を見ない成長となった」(Kroeter氏)と分析する。
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