今回は、開発環境に関するソリューションを紹介する。複数の開発環境を用意しなくてもマルチコア・マイコンのデバッグが行える統合開発環境や、「RL78」マイコンのプログラムをGUIベースで自動生成するツールなどが展示された。
前回に続き、ルネサス エレクトロニクス(以下は「ルネサス」と呼称)の顧客向け講演会兼展示会「Renesas DevCon JAPAN in Osaka」(以下は「デブコン大阪」と呼称)から、同社の最新ソリューションを紹介する。
本コラムの第3回で説明したように、デブコン大阪の展示会は以下の6つのカテゴリに分かれていた。
(1)「最新製品情報/ロードマップ」
(2)「エコシステム」
(3)「シティ」
(4)「ホーム」
(5)「オフィス」
(6)「ファクトリー」
前回までは(1)のカテゴリ「最新製品情報/ロードマップ」に含まれる主な展示物を報告した。今回は、(2)のカテゴリ「エコシステム」に含まれる主な展示物を紹介しよう。
カテゴリ「エコシステム」のエリアでは、主に開発環境に関するソリューションが展示されていた。具体的には、サードパーティとルネサスが提供する開発ツールやスターター・キットなどである。
マイコン開発環境のベンダーであるIARシステムズは、ARMマイコンの統合開発環境「IAR Embedded Workbench for ARM」を使用してデュアルコア・マイコンをデバッグする作業を実演していた。リアルタイム制御向けのハイエンドマイコン「RZ/T1」をターゲットとするファームウェア開発である。RZ/T1はデュアルコア・マイコンで、メインCPUコア「Cortex-R4F」とアクセラレータ「R-INエンジン」のCPUコア「Cortex-M3」の2つのARMコアを内蔵する。
デモンストレーションでは、1台のJTAG ICE(インサーキットエミュレータ)と開発用WindowsノートPC、外付けの液晶モニターで開発環境を構成していた。ノートPCの液晶ディスプレイにCortex-R4Fコアで動くプログラムを表示し、外付けの液晶モニターにCortex-M3コアで動くプログラムを表示していた。複数の開発環境を用意せずとも、マルチコア・マイコンのデバッグ作業を実行できる。
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