チップを積層し、TSV(シリコン貫通電極)などで接続する3次元IC技術。CMOSイメージセンサーでも、3次元化が進んでいる。
これまで最先端プロセス技術の分野でリーダー的な位置付けを獲得してきたのは、プロセッサやメモリだ。しかし現在、CMOSイメージセンサーがそれに取って代わろうとしている。スマートフォンやタブレット端末、医療用機器、自動車など、あらゆる市場において、CMOSイメージセンサーの需要が高まっているためだ。
イメージング技術ではかつて、フィルムが使われていた。しかし、固体撮像素子が出現したことによって飛躍的な成長を遂げてきた。
こうした中で成長しているのが、3次元(3D)積層技術だ。例えば、Micron Technologyの「Hybrid Memory Cube(HMC)」は、コントローラとDRAMチップをシリコン貫通電極(TSV:Through Silicon Via)で接続している。だが、CMOSイメージセンサーでは、ピクセルアレイ用に金属相互接続配線されたウエハーの、銅-銅接合(copper-to-copper bonding)を実現した点で、プロセッサやメモリにおける3次元積層技術の一歩先を行っているといえるだろう。
フランスの市場調査会社Yole DéveloppementのアナリストであるPierre Cambou氏は、EE Timesのインタビューに対し、「現在のところ、3次元積層では、上のウエハーと下のウエハーを接続するのに、TSV技術を採用している。2つのビアは、それぞれの接続に不可欠であり、2層間を橋渡しする役割を担う。2つのビア間の金属結合は、チップの表面で行っている」と述べている。
銅-銅接合でレイヤー間を接続できるようなウエハー積層技術が完成すれば、CMOSイメージング業界は、プロセッサ/メモリ業界ではまだ普及すらしていないTSV技術が“時代遅れ”になってしまう可能性もあるのだ。
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