イスラエルの新興企業Wi-Chargeは、「MWC 2015」で、赤外線LEDを使用した家電/モバイル機器向けのワイヤレス給電技術を紹介した。位置合わせの自由度が高い給電技術として、既存のワイヤレス給電技術との共存を狙う。
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ワイヤレス給電技術を手掛けるイスラエルのWi-Chargeは、スペインのバルセロナで開催された「Mobile World Congress(MWC)2015」(2015年3月2〜5日)で、家電やモバイル機器向けに、赤外線LEDを利用したワイヤレス給電技術「Wi-Charge」を披露した。送電/受電機器の間の距離を、既存のワイヤレス給電技術よりも長く取れる給電方式として、従来方式との共存を狙う。
Wi-Chargeは、レーザービームを使ってさまざまな機器を充電するトランスミッタとレシーバを開発した。同社が今回披露したトランスミッタは電球やコンセントに適合する形状になっていて、電磁波ノイズは出さないという。
Wi-Chargeには、「LEDと反射鏡を使ってレーザービームを形成し、それを光起電力セルに当てる」という原理が使われている。
具体的には、LEDを2枚の反射鏡で挟むと、LEDから放射される光子が、その2枚の鏡の間で反射を繰り返し、狭ビーム(ナロービーム)を形成するようになる。
片方の反射鏡を半透明にすると、光子がその反射鏡を通過し、レーザービームを形成する。このレーザービームを光起電力セルに当てることで給電する。
ただ、この原理ではレーザービームをピンポイントで受電側に照射しなければならず、送電/受電間で位置合わせの自由度が低いという欠点があった。
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