「デブコン大阪」の展示リポートの最後は、「オフィス」「ファクトリー」関連の技術を紹介する。オフィスの照明に可視光通信機能を組み込み、オフィス内の人間の位置情報を把握するシステムや、産業用イーサネットでモーターをリアルタイムに制御する技術などが展示された。
前回に続き、ルネサス エレクトロニクス(以下は「ルネサス」と呼称)の顧客向け講演会兼展示会「Renesas DevCon JAPAN in Osaka」(以下は「デブコン大阪」と呼称)から、同社の最新ソリューションを紹介する。既に説明したように、デブコン大阪の展示会場は以下の6つのカテゴリで構成されていた。
(1)「最新製品情報/ロードマップ」
(2)「エコシステム」
(3)「シティ」
(4)「ホーム」
(5)「オフィス」
(6)「ファクトリー」
前回までで、(1)の「最新製品情報/ロードマップ」から(4)の「ホーム」までの主な展示をレポートした。今回は(5)の「オフィス」と(6)の「ファクトリー」に関する主な展示を紹介する。
「オフィス」に関する展示では、可視光発光ダイオード(LED)を使った照明による通信の応用が興味深かった。オフィスの照明に可視光通信システムを導入することで、オフィス内に存在する人間の位置情報を把握する。
屋内のオフィスでは、GPSや携帯電話システムの電波が届きにくく、これらの手段では位置を把握しづらいことがある。そこで照明に可視光通信機能を持たせることで、オフィス内における位置情報の把握を容易にする。通信の基本的な考え方は照明が送信側となり、オフィス内の人間が受信側となる。
送信回路はルネサスのマイコン「RL78ファミリ」と電源制御ソフトウェア、可視光送信ソフトウェア、DALI規格(照明機器の通信規格)の通信ソフトウェアで構成する。DALI規格の通信データは有線でホストから受け取る。この送信回路で天井の照明から、位置情報を室内に送出する。
受信回路は照度センサーとルネサスのマイコン「RL78ファミリ」、受信信号復調ソフトウェアなどで構成する。受信回路モジュールを組み込んだモバイル端末を人間が所持することで、位置情報を得る。
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