TSMCは、2015年の設備投資額を10億米ドル削減すると発表した。資本効率を上げて16nmプロセスへの移行を急ぐ。20nmチップの生産量を減らして、16nmチップの生産量を増加する計画だ。また、7nmのリスク生産は、2017年前半に予定されている。
TSMCは、2015年の設備投資額を10億米ドル削減する計画だという。資本効率を上げ、16nmプロセスへの移行を急ぐためだとしている。同社の2015年における設備投資額は105億〜110億米ドルの間になる見込みだ。
TSMCが設備投資の減額を発表する直前に、Intelも、2015年の設備投資額を13億米ドル削減して87億米ドルにすると発表している。
TSMCの共同CEOであるMark Liu氏は、「われわれは、2015年における半導体業界の成長率が、当初の5%から4%台の前半に下がると見ている。ファウンドリ業界の成長率も約10%に下がる見込みだ」と述べる。TSMCは2015年初頭、同業界の成長率は12%だと予測していた。
TSMCは、20nmの生産量を削減して、16nmチップの生産量を増加する計画だという。同社は、「16nmチップの売上高は、20nmチップの生産を削減した分を相殺してなお余る見通しだ」と述べている。
TSMCのCFO(最高財務責任者)を務めるLora Ho氏は、設備投資の減額に関して、「16nmへの移行コストは、20nmの生産能力を増強するよりも少ない。それが、設備投資を減額した理由だ」と説明した。同氏によると、「20nm向け設備の約90%は、16nmにも利用できる」という。
TSMCは、「2015年第3四半期中に、16nm FinFETを適用したチップの製造を開始する計画だ」とあらためて表明した。だが、「16nmチップの製造を開始したとしても、2015年第3四半期の売上高に反映される可能性は低い」と共同CEOであるC. C. Wei氏は述べている。
Wei氏は、「16nmへの移行は、歩留まり率を早期に改善することで、当初の計画よりも早く進められる見込みだ。当社が28nmチップの製造を始めてから今年で5年目になるが、16nmチップは28nmチップと同様に性能が優れていることから、長期的な売り上げが見込めると期待される」と述べている。
同氏は、TSMCは2016年までに16nmと14nmチップ市場で最大のファウンドリになる計画をあらためて表明した。だが、Samsung Electronicsは既に14nmチップの製造を開始している*)。
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