Infineon Technologies(インフィニオン)はこれまで海外を中心に展開してきた、産業用途向けマイコンを日本国内で本格展開すると発表した。EtherCATコントローラ搭載マイコンなどを軸に、海外市場と同様のシェアを日本国内でも狙う。
Infineon Technologies(以下、インフィニオン)は2015年5月18日、都内で会見を開き、日本国内で、産業機器をはじめとした汎用マイコン市場に本格参入すると発表した。CPUコアにARM Cortex-Mシリーズを搭載する産業機器などに向けた32ビットマイコン「XMC」の拡販を実施する。
インフィニオンは、車載マイコンとともに主に産業機器市場をターゲットにした汎用マイコンを展開し、「世界マイコン市場でシェア第3位」(同社)という高いシェアを持つ。ただ、日本国内に限っては、マイコンシェア上位のルネサス エレクトロニクス(以下、ルネサス)など競合がひしめく厳しい市場であり、非車載マイコンである汎用マイコンについては、サポート体制が不十分などの理由から、一部製品を除いて展開を控えてきた。
そうした中で、インフィニオンは2012年からそれまで展開してきた独自32ビットCPUコア「TriCore」などを搭載したマイコン製品に加えて、「産業機器市場などで業界標準のCPUコア」と位置付けるARM Cortex-Mシリーズを搭載したマイコン製品群であるXMCを投入。Cortex-M4コアを搭載したXMC4000シリーズ、同M0コアを搭載したXMC1000シリーズの2シリーズを展開し、海外の産業機器市場やLED照明/家電、電力変換用途などで採用実績を伸ばしてきた。
こうした汎用CPUコアを搭載したマイコン製品の投入や「日本市場において(電源やモーター駆動用途など向けに展開する)パワーデバイスだけでなく、マイコンを含めた総合的なシステム提案を求める声の高まりがあり、XMCで日本の産業機器や家電などの市場に本格展開することを決めた」(Head of Product Marketing XMC Microcontrollersを務めるChristian Daniel氏)という。
競争の激しい日本市場ではあるが、Daniel氏は「世界のマイコン市場で3位のシェアを有している。日本でも、海外同様、3位以上のシェアを狙いたい」とする。
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