日本市場でのシェア獲得の切り札となるXMCは非車載マイコンの汎用マイコンだが、「あらゆる用途をターゲットにしたマイコンではない。ターゲットにした用途に最適化した用途特化型のマイコン」(Daniel氏)と他社の汎用マイコンとは一線を画したマイコンであることを強調する。ターゲットにする用途に向けた独自の周辺回路(ペリフェラル)を豊富に搭載することで、独自性を強く打ち出す。
例えばXMC1000シリーズの中で特に海外で採用実績が伸びているというLED照明用途に最適化した「XMC1200」は、CPUコアに一切負荷をかけることなく、自動調光機能/指数関数調光制御/フリッカフリー調光といった機能をペリフェラルだけで実現できる。他にも電動工具やエアコンなどモーター駆動用途向け「XMC1300」でも、独自のインバータ PWMジェネレータや多数のコプロセッサといったペリフェラルを搭載しCPUのコアを軽減。Daniel氏は「競合では、Cortex-M3コアベースのマイコンで実現する機能性能を、(同M3よりもローエンドで規模が小さく、低コストに抑えられる)Cortex-M0コアで実現できている」とXMC1000シリーズの優位性を強調する。
XMCで上位シリーズの位置付けであるCortex-M4コアを搭載するXMC4000シリーズも同1000シリーズ同様、CPUコア性能以上の性能、機能を発揮する用途特化型の独自ペリフェラルを搭載するコンセプトで製品を展開。2015年5月には、同シリーズでも最もハイエンド製品に位置付けられ、日本でのXMC本格展開の契機にもなった産業機器特化型のXMC4800を投入した。
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