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インフィニオン、日本での産業用マイコンの本格展開を開始――インダストリー4.0向けなどでシェア獲得へビジネスニュース 企業動向(3/3 ページ)

» 2015年05月19日 14時15分 公開
[竹本達哉EE Times Japan]
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EtherCAT対応マイコンで特長打ち出す

 XMC4800の最大の特徴は、Cortex-M搭載マイコンとしては「世界初」(同社)という産業用イーサネット規格「EtherCAT」(イーサキャット)のコントローラを内蔵した点にある。

 EtherCATは、「インダストリー4.0」(Industrie 4.0)などの動きに代表される製造現場のスマート化に不可欠な産業機器間を結ぶネットワーク規格の1つ。半導体製造装置業界などが標準の産業用ネットワーク規格として採用を進めていて、「最もユーザー数の多い産業用ネットワーク規格として、数ある規格の中から、EtherCATをXMC4800に搭載することを決めた」とする。

「XMC4800」の主な特長 (クリックで拡大) 出典:Infineon Technologies

 EtherCATに対応する場合、これまで専用の通信コントローラLSIを用いるケースが一般的だった。最近では、競合のルネサスが、Cortex-Mシリーズよりも上位のCortex-Rシリーズを用いたハイエンドマイコンにEtherCATなど各種産業ネットワーク規格に対応するマルチプロトコルのコントローラを搭載した製品を投入している例がある。その中で、インフィニオンは、より従来の産業機器に搭載されるマイコンに近い規模といえるCortex-M4ベースマイコンでEtherCATコントローラ機能を実現させ、より手軽にEtherCAT対応を図れる点を特長として打ち出した。

 EtherCATコントローラ以外にも、モーター駆動用途を意識したPWMジェネレータや12ビットA-Dコンバータ、ホールセンサー/エンコーダ/リゾルバ用インタフェースなどのペリフェラルを搭載し、「リアルタイム性を追求した」(Daniel氏)とする。

「日本でXMCは成功する」

Infineon Technologies Industrial and Multimarket Microcontrollers, Head of Product Marketing XMC MicrocontrollersのChristian Daniel氏

 Daniel氏は「日本は、XMC4800がターゲットにするファクトリーオートメーションをはじめ、XMC1000シリーズが最適なLED照明やエアコンなどの白モノ家電、電動工具などいずれの用途市場も有力な市場がある。どのXMC製品も日本で成功すると確信している。日本で本格展開するに当たり、十分なサポート体制を構築したと自負しているが、今後XMCの採用の伸びに応じて、サポート体制も強化していく」とし、日本でのマイコン事業を継続的に強化していく方針を示した。

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