デモでは、ウイルスが仕掛けられたスマートフォンのゲームを行うことで、ウイルスを仕掛けた犯罪者側と「Mobile Guard」側で何が見えるのかを実際に紹介した。
犯罪者側では、ゲームを行ったユーザーの所在地やスマートフォンのカメラから見える風景が映し出される。ショートメッセージサービスやアカウント情報も抜き出されるが、利用者は気付くことができない。このようなウイルスは単純なゲームアプリだと簡単に仕組めるそうだ。
「Mobile Guard」側では、ユーザーの行動を分析しながら、ネットワークの挙動をみる。ネットワーク上で異常な行動を特定したら、マルウェアのデータベースと照合してその行動が適切か判断を行う。感染したと判断したらサーバやユーザーに直接通知する仕組みである。具体的には、ウイルスの深刻度やネットワークの詳細などを把握することができる。そのため、ユーザーは早めに感染に対して手が打てるのだ。
「Mobile Guard」は欧州の企業が既にトライアルを始めている。今後は日本の通信事業者に向けて、システムの展開を考えているそうだ。
Targia氏は、これからのネットワークセキュリティについてこう語る。
「人類の免疫は、外側の体ではなく内側から保護をかけてきたように、セキュリティも後から付与するものではなく、内蔵するものでないといけない。これから、内側にあるネットワークがユーザーを保護する役割を果たしていかなければいけない」。
「Mobile Guard」もあくまでネットワークを分析するソリューションで、ウイルスの感染そのものを予防できるわけではない。これからテクノロジーがより発達するとともに、セキュリティはどのように変化していくのだろうか。
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