GLOBALFOUNDRIESは、2016年から22nm FD-SOI(完全空乏型シリコン・オン・インシュレータ)の生産を始めると発表した。2018年ごろには300mmウエハー換算で年間30万枚前後の規模で量産を行う計画で、14nm世代、10nm世代への微細化も検討する方針。
GLOBALFOUNDRIES(グローバルファウンドリーズ)は2015年7月13日(米国時間)、2016年から製造開始予定の22nm FD-SOI(完全空乏型シリコン・オン・インシュレータ)技術を発表した。今後、ドイツ・ドレスデンの生産拠点に、2億5000万米ドルを投資し、22nm FD-SOI製造ラインを整備。2016年からリスク生産を行い本格量産へと順次以降する予定だ。
発表した22nm FD-SOI技術は、「22FDXプラットフォーム」と呼び、プレーナ型のトランジスタ構造を用いる。製造プロセスは、High-k/メタルゲート(HKMG)を用いたプレーナ型28nmプロセスをベースに構築できるという。
同社CMOSプラットフォームビジネスユニット シニアバイスプレジデントのGregg Bartlett氏は「22FDXは、28nmバルクCMOSと比べ、チップサイズで20%、マスク数で10%削減できる技術。SOIという特殊なサブストレートを使うものの、ダイサイズを小さくでき、マスク数も減らせるため、結果的には28nmバルクCMOSとほぼ同じ価格で製造できる」とした。
FinFET構造との比較でも「同等の性能を実現しながら、液浸リソグラフィの層数を50%削減できる」(Bartlett氏)とコストパフォーマンスの良さを強調。「14nmなど最先端のFinFETプロセスは、高性能コンピュータ(HPC)やハイエンドスマホで需要があるだろう。しかし、メインストリームのスマホや、テレビやセットトップボックスなど民生機器、IoT用端末などでは別のニーズがある。22nm FD-SOIはそうしたHPC、ハイエンドスマホ以外での需要を見込む」という。
消費電力については、超低消費電力版プロセス「22FD-ulp」で0.9V駆動のHKMG採用28nmバルクCMOSに比べ、約70%削減できるという。さらに0.4V駆動を行えば、最大90%消費電力を削減できるとする。
超低消費電力版プロセス以外にも、超低リーク版「22FD-ull」、超高性能版「22FD-uhp」、高周波アナログ対応版「22FD-rfa」といったプロセスオプションを用意する方針だが、「当初は、22FD-ulpからの提供になるだろう」という。
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