GLOBALFOUNDRIESでは、28nm HKMG CMOSを製造する300mmウエハー対応のドレスデン工場にFD-SOI対応ラインを構築する方針。同工場は、300mmウエハー換算で年間約60万枚の生産能力を持ち、その約半分が28nm HKMG CMOS製造ラインとなっている。Bartlett氏は、「2017〜2018年には、ドレスデン工場の28nm HKMG バルクCMOS製造ライン大部分が、22FDXのラインとなるだろう。22nmのFD-SOIの製造も業界初だが、FD-SOIで年間数十万枚規模の量産体制を立ち上げることも業界初。それだけの生産能力を必要とする需要があると確信している」とした。
なおBartlett氏は、FD-SOI技術の位置付けとして、「FinFETを補完する技術」とし、最先端微細プロセスではFinFET技術、そこから数世代遅れたボリュームゾーンにはFD-SOI技術を適用していく。
Bartlett氏は、「既に14nm、10nm世代までプレーナ型FD-SOIプロセスで実現可能なことを確認している」と語り、22nmにとどまらず、FD-SOIの微細化を進めていく方針。さらに、「10nmよりも微細な世代では、FD-SOIとFinFETを組み合わせた技術が有効になるかもしれない」とし、7nm、5nm世代など将来的な微細化に対しFD-SOIが有効な技術になる可能性も示唆した。
FD-SOIは、SOIウエハーの表面にある極めて薄いシリコン層に、主にプレーナ型のCMOSを構成する技術。シンプルな構造で、リーク電流を抑え、低電圧動作が可能になるというメリットがある。
FD-SOIの製造は、28nm世代では、STMicroelectronics(STM)が2013年から量産を開始。STMはSamsung Electronics(サムスン電子)と28nm世代 FD-SOIの製造協力を結び、複数工場での製造体制を提供するなどしている。もともと、GLOBALFOUNDRIESも、STMとFD-SOI分野で共同開発を実施してきたが、発表した22nm FD-SOI技術は、STMの28nm FD-SOIとは別世代の技術をベースに開発しており、両技術間には直接的な関係性はないようだ。
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