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ウェアラブルの世界で花開くAR技術Apple、Google、Microsoftも注目(1/4 ページ)

AR(拡張現実)・VR(仮想現実)技術への関心が、ここ1年でさらに高まっている。特にスマートグラスと相性がよいAR技術は、ソニー、Apple、Googleなど大手メーカーからの注目度も高く、同分野への投資が積極的に進んでいる。

» 2015年09月09日 11時45分 公開
[村尾麻悠子EE Times Japan]

 AR(Augmented Reality:拡張現実)・VR(Virtual Reality:仮想現実)は、決して目新しい技術ではない。だが、ここ数年でAR・VRへの関心が高まっている。背景にあるのは、スマートグラスの台頭だ。

 クアルコムジャパン ビジネスデベロップメント マネジャーのシェン・リー(李申)氏は、「Wearable Tech Expo in Tokyo 2015」(2015年8月7〜8日)の講演で、「特に2014年から2015年にかけて、ARへの投資が増加した」と話した。

相次ぐ買収

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 同氏が説明した通り、AR・VR分野では、ここ1年で注目すべき動きがいくつもあった。まずは2014年3月、FacebookがVR向けハードウェアメーカーであるOculus VRの買収を発表。ソニーは、「PlayStation 4」用仮想現実(VR)ヘッドセット「Project Morpheus」を発表し、注目を集めた。5月にはGoogleが、折りたたんだボール紙にスマートフォンをセットすると、即席でヘッドマウントディスプレイ(HMD)を作れる「Google Cardboard(カードボード)」を発表した。同製品は、2015年5月の時点で利用者が100万人を突破するほど人気の製品となっている。2015年1月にはMicrosoftが、ARヘッドセット「HoloLens」のプロトタイプを披露した。現実世界にホログラムを投影するこの技術は、教育現場での活用が期待されるなど高い評判を得ている。

photophoto 左=ソニーの「Project Morpheus」(出典:ソニー) / 右=Microsoftの「HoloLens」(出典:Microsoft)

 そして、直近では2015年5月にAppleが、車載向けAR向けソフトウェアメーカーであるドイツのMetaioを買収したと発表し、Appleが車載市場参入に向けて本腰を入れたのではないかとして、注目を集めた。

photo 2014〜2015年にかけて、AR・VR市場では注目すべき買収や、新製品の発表がいくつもあった(クリックで拡大)

 Qualcommは、モバイル機器向けのARを制作するためのプラットフォーム(ライブラリ)として「Vuforia」を提供している。開発者登録を行うだけで、ARの開発に進める。2011年に発表されたVuforiaは現在、開発者登録数が17万5000を超え、Vuforiaを使った関連アプリは2万に上るという。

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