太陽誘電は、シートに座った状態でドライバーの異常な動作を検知できる着座姿勢センサーを開発した。アラーム警告などと連動することで居眠り運転などを防止することが可能となる。
太陽誘電は、「CEATEC JAPAN 2015」において、車載用の着座姿勢センサーや、Bluetooth SmartやSub-GHz帯の無線通信モジュールを組み合わせて用いることができるLED照明機器向け電源モジュールなどのデモ展示を行った。
車載用の着座姿勢センサーは、ドライバー用シートに圧電圧力波センサーを複数個取り付けることで、取り付けた位置の体動信号を検知する。複数のセンサー情報から体全体の動きを解析し、ドライバーの状態を把握することができるという。異常な動作を検知する場合にはアラームを発するシステムなどにすれば、より安全でかつ快適な運転を実現することが可能となる。
展示ブースの体験コーナーに設置されたデモ用シートには、背中部、腰部、脚部の3か所にエアバック付きセンサーが埋め込まれていた。シートベルトにエアバック付きセンサーを埋め込むことで、呼吸のデータも収集することができる。運転中のドライバーの体動信号を収集し、その波形パターンを解析することで、居眠りや体調不良時などの異常動作をシステム側で認識することが可能になるという。
エアバック付きセンサーは、エアバック部分とチューブ及びセンサー部分からなり、会場のデモ展示ではエアバック部分をシートに埋め込み、チューブでつながれたセンサー本体部分はシートの外部に設置されていた。センサー本体部分にはBluetooth無線モジュールが内蔵されており、収集したデータはディスプレイ装置の下部に設置したPCに無線通信され、リアルタイムに波形データを表示する。
「自動車メーカーに開発したシステムを提案しているところで、早ければ4〜5年後にも製品化したい。カメラモジュールを使ったドライバーの居眠り運転防止システムなども紹介されているが、正面からの映像のみで、状況を正しく判断するには十分でない場合もある。体全体の動きを検知するには着座姿勢センサーが有効な手段となる」(説明員)と話す。
圧電圧力波センサーは、低周波振動に対して高い感度を有することから、設備の異常振動を検出する非破壊検査装置などにも応用することが可能である。
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