マンションなどのリノベーションを行うリノベるは2015年9月、スマートハウスのショールーム「Connectly Lab.」をオープンした。世界中のスマートデバイスが集まる同ショールームで、開設したきっかけやその狙い、今後の展望を聞いた。そこには、ある1人の男の挑戦があった。
マンションなどのリノベーションを行うリノベるは2015年9月、スマートハウスのショールーム「Connectly Lab.」を東京都渋谷区にオープンした。世界中のさまざまなスマートデバイスが集まるだけでなく、導入済みのスマートデバイスの試用やAPIを利用したアプリケーションの開発も可能という。
同ショールームを訪問して、開設したきっかけやその狙い、今後の展開などを同社の新規事業チームでスマートハウス事業を推進する木村大介氏に聞いた。
Connectly Lab.は、住宅を購入したときに契約書や申し込み書類が多く発生する不便さをテクノロジーで解決しようという構想から始まっている。例えば、家に関する書類や家電の説明書などは膨大な量があって、消費者が全てを理解して操作するのは難しい。
しかし、スマートフォンアプリのボタンを押すだけで照明の制御やドアのロックを解除できるようになったら、難しい作業を伴わず私たちの生活はより便利になるだろう。このように、家が便利になるハードウェア、ソフトウェアを誰もが気軽に開発できるような場所を提供し、未来のスマートハウスの形を創っていくのがConnectly Lab.である。
フリーWi-Fi環境を整え、各席に電源を設けるだけでなく、はんだごてやプロトタイプ用基板の貸し出しなども行っている。営業時間内(10:00〜19:00)であれば、予約不要で見学が可能。2015年9〜10月のテスト運用期間は、無料で利用が可能だ(テスト運用期間以降は未定)。スマートハウス関連のイベントも開催する予定という。
「Connectly Lab.でやりたいことは、実際にデバイスを使ってもらって便利かどうかを試してもらうこと。もう1つは、スマートハウスの形は世界中でまだ答えをどこもだせていない。なので、オープンイノベーションに近い形で、さまざまな会社や個人が集まって、スマートハウスの答え探しをしていく場にしたい」(木村氏)
Connectly Lab.はオープンから1カ月がたち、「広告などは出していないが、予想を上回るペースで多くの人が見学に訪れている」と木村氏は語る。開発者によるスマートデバイスのAPIを利用したアプリ開発も少しずつ進んでおり、外部からベッドルームの照明を制御できる機能などが既に開発されている。また、サーバやハードウェア、半導体の開発を手掛けるメーカーなどさまざまな企業との協力関係も進んでいるという。最近では、ソフトバンクの感情認識パーソナルロボット「Pepper」が導入されている。
オープン当初13種類だったスマートデバイスは現在、約20種類。スマートロック、スマートフォンから操作できるエアコンや、しゃべるロボット掃除機、土壌センサーなど多数のスマートデバイスが展示されていたので、その一部を写真で紹介する。
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