ウェアラブル指紋認証はパスワードを無くすのか : 必要なリテラシーは、触ってかざすだけ (2/2 ページ)
指紋認証は昨今、Appleの「iPhone 5s」に代表されるようにスマートフォンやPCに搭載する動きが多くなっている。わざわざ、magatamaを利用しなくてもスマートフォン1台で完結できればいいのではないかという声もあるかもしれない。
三吉野氏は、「スマートフォンは何でもできる汎用機器として、液晶画面を大きく、機器本体もサイズを大きくしていく傾向がある。個人認証が必要なときに、毎回大型のスマートフォンをポケットやバッグから取り出すのは、スマートな動きとはいえない。magatamaはスマートフォンから認証機能を抜き出してウェアラブル端末化し、多くの機能を不要としてあえて削除した“引き算の産物”となっている」と語る。
また、生体認証に指紋を活用した理由については、「指紋認証が現在、他の生体認証に比べて圧倒的に普及している。そのため、静脈などの生体認証と比較しても、指紋認証は小さく、安く製造できる」(三吉野氏)としている。
「magatama」は腕に巻く形や防水用など、さまざまな形での展開も考えているという (クリックで拡大)
magatamaはウェアラブル認証端末とスマートフォンアプリ、FIDO認証局サーバの3つのプラットフォームで提供される。専用のアプリはスマートフォンをFIDO規格に準拠させる機能を持ち、サーバはクラウド上でID管理/認証を行ってくれる。
ビジネスとしては、エンドユーザーに負担をかけるのではなく、magatamaを応用できるビジネスを行うECサービスや決済機能などを扱うパートナー企業に対し、製品販売からサービス提供、開発コンサルティングなど、さまざまな形態のビジネスを展開するとしている。価格は全てオープン価格としているが、「1個当たりの製造コストは数千円であり、販売コストは1万円を超えない見込みである」と三吉野氏は記者発表で語った。
「magatama」を活用したWebサービスのログインデモ。タブレット端末とmagatamaは、Bluetooth Low Energy(BLE)でペアリングされている
米大学が“3D指紋認証スキャナ”を開発、パスワードは過去のものに?
米国カリフォルニア大学の研究チームが、指の表皮だけでなく真皮まで画像化する“3D(3次元)指紋認証スキャナ”を開発した。表皮だけを見る現在の指紋スキャナとは異なり、表皮の下の組織まで画像化するので、なりすましが難しくなるという。極めて安全な指紋認証システムを実現する鍵になりそうだ。
スマホの画面を見るだけでロック解除、虹彩認証システム
富士通は、スマートフォンの画面を見るだけでロックを解除できる虹彩認証システムを開発し、同技術を搭載したスマートフォンを試作した。赤外線LEDから赤外線を目に照射し、さらに赤外線カメラで撮影することで虹彩パターンを取得する。この虹彩認証システムは、2015年度中の製品化を目指す。
NECがスマホで“モノの指紋”を見分ける技術を開発
NECは、工業製品や部品の固体を識別できる「物体指紋認証技術」を開発した。スマートフォンなどに内蔵されたカメラで個体を撮影し、事前に登録した紋様の画像データと照合することで、製品個体の識別を高速、高精度に行える。
ドコモの“見えるインフォ”、指紋認証で支払い、指でなぞってスクラップ……写真で振り返るCEATEC
2013年10月1〜5日に幕張メッセで開催された「CEATEC JAPAN 2013」。指紋/静脈認証で代金を支払う「バイオマネー」、座れば体重や血圧、脈拍などを測定してくれる近未来的なイス、NTTドコモの「インテリジェントグラス」、シャープのフレームレスIGZOディスプレイなど、記事には掲載していない展示をフォトギャラリーとして紹介する。
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