指紋認証は昨今、Appleの「iPhone 5s」に代表されるようにスマートフォンやPCに搭載する動きが多くなっている。わざわざ、magatamaを利用しなくてもスマートフォン1台で完結できればいいのではないかという声もあるかもしれない。
三吉野氏は、「スマートフォンは何でもできる汎用機器として、液晶画面を大きく、機器本体もサイズを大きくしていく傾向がある。個人認証が必要なときに、毎回大型のスマートフォンをポケットやバッグから取り出すのは、スマートな動きとはいえない。magatamaはスマートフォンから認証機能を抜き出してウェアラブル端末化し、多くの機能を不要としてあえて削除した“引き算の産物”となっている」と語る。
また、生体認証に指紋を活用した理由については、「指紋認証が現在、他の生体認証に比べて圧倒的に普及している。そのため、静脈などの生体認証と比較しても、指紋認証は小さく、安く製造できる」(三吉野氏)としている。
magatamaはウェアラブル認証端末とスマートフォンアプリ、FIDO認証局サーバの3つのプラットフォームで提供される。専用のアプリはスマートフォンをFIDO規格に準拠させる機能を持ち、サーバはクラウド上でID管理/認証を行ってくれる。
ビジネスとしては、エンドユーザーに負担をかけるのではなく、magatamaを応用できるビジネスを行うECサービスや決済機能などを扱うパートナー企業に対し、製品販売からサービス提供、開発コンサルティングなど、さまざまな形態のビジネスを展開するとしている。価格は全てオープン価格としているが、「1個当たりの製造コストは数千円であり、販売コストは1万円を超えない見込みである」と三吉野氏は記者発表で語った。
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