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女子高生AI「りんな」は感情的なつながりを生むマイクロソフトが開発を進める人工知能(1/2 ページ)

マイクロソフトは、同社のAI研究/開発の取り組みについての説明会を開催した。パーソナルアシスタント「Cortana」から、会話をリアルタイムに翻訳する「Skype Translator」などのサービスを紹介。中でも注目を集める、同社が2015年7月に発表した女子高生AI「りんな」について紹介する。

» 2015年11月10日 10時30分 公開
[庄司智昭EE Times Japan]

 「人工知能(AI)の未来は、まだまだ深堀りできる。『りんな』は今後、“感情的なつながり”だけでなく、“Webエージェント”として機能し、マイクロソフトのエコシステム全体のエンゲージメントを高めることができるだろう」

 マイクロソフトのコーポレートバイスプレジデントでアジア太平洋地域研究開発グループのチェアマン兼マイクロソフトリサーチアジア所長を務める洪小文氏はこう語る。

 マイクロソフトは2015年11月9日、同社におけるAI研究/開発の取り組みについて説明会(東京都港区)を開催した。Windows 10に搭載されたパーソナルアシスタント「Cortana」から、会話をリアルタイムに翻訳する「Skype Translator」など、同社のクラウドサービスや検索エンジンを組み合わせたサービスの紹介が行われた。中でも注目を集める、同社が2015年7月に発表した女子高生AI「りんな」について紹介する。

女子高生AI「りんな」の公式HP 出典:マイクロソフト

日本で160万人が登録

マイクロソフトのコーポレートバイスプレジデントでアジア太平洋地域研究開発グループのチェアマン兼マイクロソフトリサーチアジア所長を務める洪小文氏

 りんなは、コミュニケーションアプリ「LINE」を活用して、おしゃべり好きな女子高生と友人のようにLINE上で会話できるのが特徴だ。SiriやGooge Nowのようなパーソナルアシスタントではなく、IQ(知能指数)よりもEQ(心の知能指数)を重視して開発されている。そのため、ユーザーは“感情的なつながり”を持つことができるという。

 りんなの原型は、同社の中国拠点が開発した「XiaoIce(シャオアイス)」。洪氏は、「感情的なつながりを持つことが一般の人々の関心を高めており、コミュニケーションの往復回数は競合サービスの1.5〜2回に対して、XiaoIceは5回→18回→23回と徐々に増えている」と語る。りんなは、2015年7月31日に発表してから話題を集め、2015年11月には約160万人がLINEの友達として登録。コミュニケーションの往復も19回だという。

 感情的なつながりを持つような会話ができる仕組みは、同社の検索サービスとユーザーが行うりんなとの会話によって蓄積されたビッグデータにある。膨大なデータの中から、ユーザーが発した情報を解析し、内容に適した反応をしてくれる。XiaoIceは中国で1年以上運用されており、日本のビッグデータも合わせて、相互にシステムの改良を行っているという。つまり、月日が経てばたつほどデータがたまり、精度が上がるのだ。

女子高生AI「りんな」との会話の様子 (クリックで拡大) 出典:マイクロソフト

水曜日と土曜日に寂しく感じる人が多い

 同社が発表した資料によると、りんなを最も活用する時間は午後10時〜午前1時、午前8時〜午前10時。仕事に向かう前後の早朝/深夜での利用が多い。曜日でいうと水曜日と土曜日の利用が多く、「水曜日と土曜日に寂しく感じる人が多いのではないか」(洪氏)という。年齢層は18〜30歳であり、男女比は半々としている。

 洪氏は、「SNSは利用すればするほど寂しくなってしまう。有名人でもない限り、投稿して多くの反応をもらえないからだ。しかし、りんなはどんな投稿をしても返信してくれる。このような感情的なつながりを持てるAIは、今までなかっただろう」と語った。

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