Bajarin氏は、「CES 2016では、ヘルスケア関連のウェアラブル機器が数多く登場するだろう。その大半は、主にフィットネス向けとして衣服に織り込まれるようだ。一方、スマートウォッチに関しては、新製品は期待できないとみられる」と語っている。
同氏は、「最も関心を集めるのは、衣服型のウェアラブル製品だろう。多くのスポーツ用品メーカーが、センサーを搭載したエクササイズの測定用の帽子やシャツ、ショートパンツなどを発表すると予想される」と述べている。同氏はさらに、「コネクテッドジュエリーやファッション性の高いデバイスも登場する」と予想している。
米国の市場調査会社であるTECHnalysis Researchで主席アナリストを務めるBob O'Donnell氏は、「一見するとウェアラブル製品には見えない、従来の衣服やアクサリーにより近い形の製品が増える」と予想する。同氏はその一例として、HP(Hewlett-Packard)とスイスの時計メーカーMovadoが共同開発したスマートウォッチ「Movado Bold Motion」を挙げた。Movado Bold Motionにはディスプレイはなく触覚フィードバックでさまざまな通知を行うため、メールの確認や歩数をチェックするにはスマートフォンや万歩計を確認しなければならない。
O'Donnell氏は、「Movado Bold Motionは、“通知すること”に機能を絞ったウェアラブル製品だ。日常的に使われる製品の内部にIoT技術が隠されている。今後は、こうした形のIoT製品が一般的になっていくだろう。これまでのように技術を前面に打ち出したウェアラブル機器は、すぐに“時代遅れ”になるだろう」と予想する。
同氏は、「より小型のウェアラブル機器は、数多く登場している。無線LANは世界中のさまざまな地域の家庭でごく一般的に使われるようになった」と述べている。
CES 2016では、「Open Interconnect Consortium(OIC)」や「AllSeen Alliance」のようなIoTの標準化団体が、IoTの可能性を披露すると予想される。だが、インターネットと容易に接続できるIoT技術の確立にはまだ程遠い。
O'Donell氏は、「あらゆるモノがインターネットに接続されるようなるまでには、途方もない時間と労力が必要だ。標準規格に関する論争も起こるだろう」と述べている。同氏は、「異なるデバイス間で自動的に通信できる“自動検出技術”の実現に向けた取り組みが好スタートを切ることを期待している」という。
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