パナソニックは、LED光源にスマートフォンをかざすことで、さまざまな情報が得られる可視光通信技術「光ID」の説明会を開催した。2015年12月19〜20日にかけて、銀座で光IDの体験イベントが開催されたという。本記事では、光IDがどのような技術かをデモ動画を交えて紹介する。
パナソニックは2015年12月18日、LED光源にスマートフォン(スマホ)をかざすことで、飲食店のクーポンや周辺の観光案内などの情報が得られる「光ID」技術の説明会を開催した。本記事では、光IDがどのような技術かを動画を交えて紹介する*)。
*)関連記事:LED光源にスマホをかざすだけで情報取得、パナソニックの「光ID」
光IDは、スマホ内蔵のイメージセンサー(カメラ)と専用のアプリを活用する。送信側は、照明器具や内照式看板、デジタルサイネージディスプレイに光ID送信機能を取り付ける必要がある。LED光源の点滅にデジタル信号を重畳(ちょうじょう)させることで、スマホのイメージセンサーが光IDを認識して関連情報を取得できる仕組みだ。
光IDの特長は、スマホに専用のアプリをインストールするだけで光IDの受信を数キロビット/秒(kbps)と高速で行えることである。既存の技術でも数kbpsで受信することは可能だが、専用の受光器をスマホに装着する必要がある。スマホで直接受信することもできるが、受信速度が十数bpsでしかデータを送れないという課題があったという。
従来の技術で受信速度が遅かったのは、イメージセンサーで取得した画像1コマに対して1つの情報を読み取っていたからである。同社は、イメージセンサーの特性を生かし、画像1コマから複数の情報を集約して読み取ることを実現した。これにより、光IDの読み取り速度は0.3秒以内を実現したとしている。パナソニック AVCネットワーク社のイノベーションセンターで主幹を務める川合啓民氏は、「0.3秒以内は、ユーザーがストレスなく情報を受信できる時間だと考えている。受信速度と直感性に関して光IDは、他社のサービスと比較して群を抜いているだろう」と語る。
また、光IDはQRコードやARマーカーなどの画像読み取り方式とは異なり、受信時に読み取り位置を合わせたり、複雑な画像認識をする手間が不要。Bluetooth Low Energy(BLE)や超音波を用いた情報送信方式のように、電波干渉/音波干渉を考慮する必要がないため、隣接する場所に複数の光ID発振器を設置しても問題ないとしている。
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