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2015年半導体業界再編を振り返る[下半期編]M&Aの嵐、まだ止む気配なし(3/4 ページ)

» 2015年12月25日 08時30分 公開
[竹本達哉EE Times Japan]

11月――アナログや国内商社にも波及

ON SemiconductorがFairchild買収を発表=買収額24億米ドル

 それまで、システムLSI/メモリ分野が中心だった半導体業界再編の流れが、11月に入り、さまざまな部分へと波及し始めた。まずは、アナログ半導体分野では、“世界初のICメーカー”の流れをくむFairchild Semiconductorを、ON Semiconductorが約24億米ドルで買収すると発表した。

 ON Semiconductorは、三洋半導体の買収(2011年)など積極的な買収策で事業を急速に拡大。製品ポートフォリオの弱かった高耐圧パワーデバイスを得意とするFairchildの買収で、年間売上高50億米ドルまで事業規模を拡大させる見込み。パワー半導体の分野では、首位Infineon Technologiesに次いで世界シェア第2位になる見込みだ。

 Fairchildを巡っては、OmniVision Technologiesを買収する予定のHua Capitalなどの中国企業が、ON Semiconductorを上回る額を提示して買収を提案しているとされる。Fairchildは、中国企業の買収提案を検討するものの、「ON Semiconductorからの買収提案を受け入れる姿勢を崩すつもりはない」としている。ON SemiconductorによるFairchild買収完了予定時期は、2016年4〜6月としている。

加賀電子とUKCが経営統合で合意

 半導体メーカーの再編が相次ぐ中で、長年“再編必至”と言われ続けてきた国内半導体商社業界で、過去最大規模の合併話がまとまった。ソニー系半導体商社のUKCホールディングスと、独立系半導体商社である加賀電子が2016年10月をメドに経営統合することで、基本合意した。両社の売り上げ規模(2016年3月見込)を合算すると5520億円に達し、2015年4月に経営統合により誕生したマクニカ・富士エレホールディングスの3970億円(同)を上回り、国内最大規模の半導体商社となる見込みだ。

 両社の経営統合は、持ち株会社方式を採用し、持ち株会社傘下に、UKCグループ、加賀電子グループそれぞれの事業会社を置き、ビジネスを展開していく方針だ。

12月――電子部品業界でも

TDKがMicronasの買収を発表=買収額2億1400万スイスフラン(約263億円)

 TDKが、スイスMicronas Semiconductorを2億1400万スイスフラン(約263億円)で買収すると発表した。

 Micronasは、ホール素子センサーを自動車のシャシーやパワートレインなど向けに、30年以上提供してきたメ―カー。HDD用磁気ヘッドで培った磁性薄膜技術を生かした磁気センサーを、戦略製品の1つに据えるTDKは、Micronasを取り込むことで同事業の強化を狙う。

 2016年2月までにTOBを実施し、買収完了は2016年3月になる見込みだ。

ミネベアとミツミ電機が経営統合

 電子部品/半導体メーカーのミツミ電機は、ベアリング/モーターなどを手掛けるミネベアと2017年4月をメドに経営統合すると発表した。エレクトロニクスに強いミツミ電機、メカトロニクスに強いミネベアという組み合わせで、相乗効果を発揮し、売上高1兆円企業を目指す方針。統合後の新社名は「ミネベア ミツミ」となる予定だ。

 なお、ミツミ電機が手掛けている半導体事業については統合後も、継続させるとしている。

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