富士通研究所は2016年2月2日、大量のデータの中から画像そのものを検索キーとして、検索画像の一部に一致する画像を高速に検索する技術を開発したと発表した。汎用サーバと比較して50倍以上の処理能力である、1万2000枚/秒の処理を可能にしたという。
プレゼンテーション資料や企画書を作成するときに、「あのとき使用した資料/写真を探したいけど見つからない」といった経験はないだろうか――。
富士通研究所は2016年2月2日、大量のデータの中から画像そのものを検索キーとして、検索画像の一部に一致する画像を高速に検索する技術を開発したと発表した。画像検索に必要な処理を行うアクセラレーターをFPGAに実装し、CPU上のソフトウェアと効率よく連携させることで、サーバの性能を大幅に向上。汎用サーバと比較して50倍以上の処理能力である、1万2000枚/秒の処理を可能にしたという。
画像を検索キーとして、データベースの中から画像を探し出す技術として「部分画像検索」という概念は以前から活用されていた。しかし、汎用のサーバでは、計算量の多いため長い処理時間が必要になる。例えば、1万枚程度の画像の中から目的の画像を検索するのに、1分以上の時間を要するため、実用レベルには至っていなかった。
そこで、富士通研究所は大量の画像データに対して、部分画像検索を高速に実行できるサーバを開発。同等の検索性能時における汎用サーバとの比較では、検索性能は50倍以上の1万2000枚/秒、消費電力は30分の1以下、装置体積は50分の1以下を実現したとしている。つまり、1万枚の画像検索に掛かる時間は、“1秒”程度になるのだ。これにより、文書作成時間の短縮や、画像整理の効率化が可能になるとした。
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